「勉強しなさい」以外に何と言えばいい?子どもへの声かけ10選

「早く勉強しなさい!」

「宿題は終わったの?」

「いつまでゲームしてるの?」

子どものためを思って声をかけているのに、返ってくるのは「今やろうと思ってた!」「分かってるって!」という言葉。

そんなやり取りが続くと、保護者の方も疲れてしまいますよね。

勉強する習慣を身につけてほしい。将来のために、今できることを頑張ってほしい。そう願うのは自然なことです。

ただ、同じ言葉を何度繰り返しても、子どもがなかなか動かないこともあります。

そんなときは、「勉強しなさい」と言う代わりに、子どもが自分で考えられる言葉に変えてみるのも一つの方法です。

例えば、今日から次の3つを試してみてはいかがでしょうか。

  • 「早く勉強しなさい」→ 「今日は何から始めようか?」
  • 「どうしてできないの?」→ 「どこが難しかった?」
  • 「もっと頑張りなさい」→ 「昨日より集中できていたね」

目指したいのは、子どもを机に向かわせる「うまい言い方」を見つけることではありません。

子どもの気持ちや状況を知り、本人が自分から動き出すきっかけをつくることです。

この記事では、文部科学省やOECD、愛媛県の家庭教育資料を参考に、勉強を始められない背景、場面別の声かけ10選、学年別の関わり方、家庭で試せる1週間の実践方法を紹介します。

これまでの声かけが間違っていたと考える必要はありません。いつもの言葉を、ほんの少し変えるところから始めてみましょう。


1. 「勉強しなさい」と言っても動かないのはなぜ?

夕食のあと、テレビを見ている子どもに「早く勉強しなさい!」と声をかけたら、「今やろうと思ってたのに!」と言い返された。

そんな経験はありませんか。

なかなか勉強を始めない姿を見ると、「やる気がないのかな」「勉強の大切さが分かっていないのかな」と思ってしまうものです。

けれども、子どもが動けない理由は一つとは限りません。

まずは、子どもがどんな状況にいるのかを考えてみましょう。

疲れや生活リズムの乱れ、何から始めればよいか分からない、親への反発、勉強への苦手意識の4つを示した図解

① やらなければと思っていても、始められない

頭では「勉強しなきゃ」と分かっていても、すぐに行動に移せるとは限りません。

学校から帰って疲れていたり、好きなことから勉強へ気持ちを切り替えられなかったりする場合があります。

大人でも、やるべき仕事や家事を後回しにしてしまう日がありますよね。

そんなときは、

「早く始めなさい!」

と急かすよりも、

「少し休んでから始める?それとも今からやってみる?」

と、選択肢を示してみる方法があります。

ただし、疲れが強い場合には、無理に勉強を始めさせるのではなく、休息を優先することも必要です。

② 何から手をつければよいか分からない

宿題や課題が多いと、どこから手をつければよいか分からず、手が止まってしまうことがあります。

中学生なら、英語のワーク、数学の問題集、漢字練習、翌日の小テスト対策など、複数の課題を抱えていることもあるでしょう。

そこへ「全部終わらせなさい!」と言われたら、気が重くなるかもしれません。

まずは、

「今日は何があるの?」

「一番早く終わりそうなのはどれ?」

と聞いて、やることを一緒に整理してみましょう。

最初の一歩を小さくすることが、取りかかるきっかけになります。

③ 親に言われると、反発したくなる

成長するにつれて、子どもは「自分のことは自分で決めたい」という気持ちを持つようになります。

「あと10分したら始めよう」と考えていたところに「勉強しなさい」と言われれば、反発したくなることもあるでしょう。

そんなときは、

「今すぐやりなさい!」

ではなく、

「何時から始める予定?」

と聞いてみてください。

自分で決めた時間を守る経験を、少しずつ積み重ねていくことが大切です。

④ 勉強が難しくて、自信をなくしている

勉強しないように見えても、実は「分からないから、やりたくない」という気持ちが隠れている場合があります。

学年が上がって内容が難しくなると、以前に習った単元の理解があいまいなために、手が止まってしまうこともあります。

この場合、

「どうしてできないの?」

と聞かれても、子ども自身が答えられないかもしれません。

「どこから難しくなった?」

と尋ねて、つまずいたところを一緒に探してみましょう。

分からない部分が見えてくれば、次に取り組むことも考えやすくなります。

勉強を始められない理由は、子どもによって異なります。

「なんでやらないの?」と責める前に、何か困っていることはないか、まずは聞いてみてください。


2. 子どものやる気を支える親の声かけとは

子どものやる気を支える声かけには、意識したい3つのポイントがあります。

気持ちを受け止めること、自分で決める機会をつくること、努力や工夫を具体的に認めることです。

子どもの気持ちを受け止める、自分で決める機会をつくる、努力や工夫を具体的に認めるという3つのポイントを示した図解
声かけのポイント具体例
気持ちを受け止める「難しく感じているんだね」
自分で決める機会をつくる「何から始めようか?」
努力や工夫を認める「間違えた問題をもう一度解いていたね」

① 指示する前に、子どもの考えを聞く

文部科学省が2022年12月に公表した『生徒指導提要(改訂版)』では、子どもの自己存在感、共感的な人間関係、主体的な課題への挑戦などが重視されています。

これは学校での生徒指導についての資料ですが、家庭での関わり方を考えるうえでも参考になります。

例えば、

「宿題は終わったの?」

と確認する前に、

「今日はどんな宿題があるの?」

「どれから始める予定?」

と尋ねてみます。

親がすべてを決めるのではなく、子ども自身が考える機会をつくることがポイントです。

参考:文部科学省『生徒指導提要(改訂版)』(2022年12月)

② 結果だけでなく、努力や工夫を具体的に認める

「100点なんてすごいね」

とほめられれば、子どもはうれしいものです。

でも、毎回よい点数が取れるとは限りません。

だからこそ、

「毎日10分ずつ練習していたね」

「間違えた問題を最後まで解き直していたね」

「自分から質問できたね」

など、実際に見た行動を具体的に伝えてみましょう。

愛媛県は、保護者向けの学習教材『励まし方やほめ方、どうしてる?』を公開しています。

乳幼児から小学校高学年の子どもを持つ保護者を対象にした45分間の学習プログラムで、事例を通して励まし方やほめ方を考える内容です。

何でもほめればよいということではありません。

子どもが取り組んだ過程や工夫に目を向け、具体的に伝えることを意識してみましょう。

参考:愛媛県『励まし方やほめ方、どうしてる?』(2024年3月27日更新)

③ 勉強以外の何気ない会話も大切にする

「宿題は終わった?」

「テストは何点だった?」

気づけば、家庭での会話が勉強の確認ばかりになっていないでしょうか。

OECDの国際学習到達度調査『PISA 2022』では、15歳の生徒を対象に、家庭での交流や支援と学習との関係が調べられています。

その結果、OECD平均で約8割の生徒が、家族と食事をしたり、会話をしたりする機会が週1〜2回以上あると回答しています。

また、家族と定期的に食事や会話をしたり、学校での出来事を聞かれたりしている生徒は、そうした交流が少ない生徒より、数学の得点が16〜28点高いという関連も報告されています。

この比較は、OECD平均で生徒と学校の社会経済的背景を調整したものです。

ただし、家族との会話を増やせば数学の点数が上がる、という因果関係を示したものではありません。

同じPISA 2022の別の分析でも、保護者との日常的な交流や学習についての会話と、粘り強い学習への取り組みとの関連が報告されています。

大切なのは、成績を上げるためだけに会話をすることではありません。

「今日、学校で何かあった?」

「最近、楽しかったことは?」

「何か困っていることはない?」

そんな何気ないやり取りの中で、子どもの気持ちが見えてくることがあります。

参考:


3. 「勉強しなさい」の代わりに使いたい声かけ10選

ここからは、家庭でよくある10の場面ごとに、具体的な言い換えを紹介します。

どれも子どもを思いどおりに動かすための言葉ではありません。

状況を確かめ、本人が次の行動を考えるきっかけをつくるための言葉です。

勉強を始めない、宿題を後回しにする、スマホをやめない、テストの点数が悪い、勉強しても成果が出ない場面の声かけ言い換え例
場面よくある声かけおすすめの言い換え
① 勉強を始めない早く勉強しなさい「今日は何時から始めようか?」
② 宿題を後回しにするまだ終わってないの?「どこから取りかかろうか?」
③ スマホをやめないいつまで見てるの!「決めた時間になったね」
④ テストの点数が悪いどうしてこんな点数なの?「どこが難しかった?」
⑤ 勉強しても成果が出ない努力が足りないんじゃない?「やり方を一緒に見直そうか」
⑥ 「分からない」「無理」と言うすぐ諦めないの!「どこまでは分かった?」
⑦ 友達と成績を比べる○○さんはできているのに「前の自分と比べてどうだった?」
⑧ 勉強を頑張ったもっとできるでしょ「毎日続けていたね」
⑨ 親子で言い合いになるもう知らない!「少し落ち着いてから話そうか」
⑩ 受験勉強に意欲がないこのままじゃ落ちるよ「今、一番気になっていることは何?」

① 勉強を始めないとき|「今日は何時から始めようか?」

「早く勉強しなさい」と言われると、子どもは自分の予定を無視されたように感じることがあります。

始める時間は、本人に決めてもらいましょう。

例えば、

親「今日は何時から始めようか?」

子「7時から」

親「分かった。じゃあ7時になったら始めようね」

というやり取りです。

7時を過ぎても始まらなければ、

「7時になったね。予定どおり始められそう?」

と確認してみましょう。

② 宿題を後回しにするとき|「どこから取りかかろうか?」

宿題が多いと、何から始めればよいか迷ってしまうものです。

そんなときは、最初の一歩を具体的にしてみましょう。

「まず漢字を5分だけやってみようか」

「数学のワークを1ページ進めてみよう」

など、取りかかりやすい量に分ける方法があります。

一度に全部終わらせることを考えるより、まず始めることを目標にしてみましょう。

③ スマホやゲームをやめないとき|「決めた時間になったね」

スマホやゲームについては、その場で注意するだけでなく、事前に家庭のルールを決めておくことが大切です。

例えば、

「平日は夕食前に宿題を終える」

「ゲームは夜8時までにする」

など、家庭の生活に合わせて話し合います。

愛媛県の保護者向け学習教材『我が家のルールづくり』でも、ネットやゲームとの付き合い方を振り返り、家庭でのルールづくりを考える内容が扱われています。

ルールを守れなかったときには、ただ叱るのではなく、守れなかった理由や改善方法を一緒に考えてみましょう。

参考:愛媛県『我が家のルールづくり』(2026年6月30日更新)

④ テストの点数が悪かったとき|「どこが難しかった?」

点数を見ると、親としては心配になるものです。

しかし、点数だけでは、何が原因だったのかまでは分かりません。

例えば、

  • 問題の意味が分からなかった
  • 覚えていたつもりでも思い出せなかった
  • 時間が足りなかった
  • 計算や書き写しで間違えた

など、原因によって次に必要な勉強は変わります。

まずは間違えた問題を確認し、

「次は何を変えてみる?」

と話してみましょう。

⑤ 勉強しても成果が出ないとき|「やり方を一緒に見直そうか」

頑張っていても、すぐに点数が上がるとは限りません。

そんなときは、勉強時間の長さだけでなく、内容にも目を向けてみましょう。

例えば、英単語を何度も書いているのに覚えられない場合は、意味を隠して思い出せるか確認する方法を試してみます。

努力を認めながら、必要に応じて方法を変えていくことが大切です。

⑥ 「分からない」「無理」と言うとき|「どこまでは分かった?」

「全部分からない」と感じている場合でも、一緒に問題を確認すると、途中までは理解できていることがあります。

例えば、数学の文章題なら、

「問題に書いてある数字は分かる?」

「何を求める問題かな?」

と、一つずつ確認してみましょう。

できている部分を見つけることで、次に何を考えればよいかが明確になります。

分からないと言う、友達と成績を比較する、勉強を頑張った、親子で言い合いになる、受験勉強に意欲がない場面の声かけ言い換え例

⑦ 友達と成績を比較してしまうとき|「前の自分と比べてどうだった?」

友達や兄弟姉妹との比較は、子どもにとって負担になる場合があります。

比べるなら、以前の本人と。

前は解けなかった計算問題が解けるようになった、英単語を覚える習慣がついたなど、小さな変化にも目を向けてみましょう。

「前回より計算ミスが減ったね」

「最近は取りかかるのが早くなったね」

と、具体的な成長を伝えることが大切です。

⑧ 勉強を頑張ったとき|「毎日続けていたね」

「すごいね」「えらいね」という言葉も、子どもにとってうれしいものです。

さらに、何がよかったのかを具体的に伝えると、子どもは自分の取り組みを振り返りやすくなります。

「難しい問題に最後まで取り組んでいたね」

「自分で計画を立てて進められたね」

など、実際に見えた行動を言葉にしてみましょう。

⑨ 親子で言い合いになったとき|「少し落ち着いてから話そうか」

親も子どもも、感情的になることはあります。

そんなときに無理に話を続けると、勉強の話から別の言い争いに発展することもあります。

一度会話を中断し、落ち着いてから話し直すことも選択肢の一つです。

言い過ぎたと感じたら、

「さっきは少し強く言いすぎたね」

と、保護者から伝えてもよいでしょう。

⑩ 受験勉強への意欲が見られないとき|「今、一番気になっていることは何?」

受験生は、勉強だけでなく、志望校や成績、将来について不安を感じている場合もあります。

「何から勉強すればよいか分からない」

「頑張っても成績が上がらない」

といった悩みがあれば、まず話を聞いてみましょう。

気持ちが落ち着いてから、

「どんな高校生活を送りたい?」

「そのために今できそうなことは何かな?」

と、目標や次の行動について話してみるのもよい方法です。

10の声かけに共通しているのは、子どもを一方的に動かそうとするのではなく、状況を確認し、一緒に次の行動を考えることです。


4. 逆効果になりやすい親の声かけ5つ

子どもを励ましたつもりの言葉が、思いがけずプレッシャーになることもあります。

ここでは、特に気をつけたい5つの表現を紹介します。

気をつけたい声かけ子どもの受け止め方の例言い換え例
「お兄ちゃんはできたのに」比較されていると感じる「前よりできるようになったところはある?」
「あなたはいつも勉強しない」努力しても認められないと感じる「今日は何時から始めようか?」
「90点じゃダメなの?」結果だけで評価されたと感じる「今回はどんな工夫をした?」
「このままだと大変なことになるよ」不安が大きくなる「目標に向けて、今できることを考えよう」
「言われたとおりにしなさい」自分の考えを聞いてもらえないと感じる「どう進めるのがよさそう?」

① 友達や兄弟姉妹と比較する

「お兄ちゃんはできたのに」

「○○さんはもっと勉強しているよ」

こうした言葉は、子どもにとって負担になる場合があります。

ほかの子と比較するよりも、以前の本人と比べてできるようになったことを見つけてみましょう。

② 「いつも」「全然」などと決めつける

「いつもダラダラしている」

「全然勉強しない」

こうした言葉は、子どもが頑張った場面まで否定してしまうことがあります。

できていないことを伝えたいときも、

「今日はまだ始めていないね」

と、目の前の出来事について話すことを意識しましょう。

③ 点数や順位だけを評価する

「何点だった?」

「何番だった?」

という質問ばかりになると、子どもは結果だけを見られていると感じるかもしれません。

点数を確認すること自体が悪いわけではありません。

ただし、

「今回はどんな勉強をした?」

「次は何を工夫したい?」

と、取り組み方についても話してみましょう。

④ 不安をあおる

「このままだと志望校に受からないよ」

「将来困るよ」

こうした言葉は、保護者の心配から出るものです。

しかし、不安を強調しすぎると、子どもが勉強そのものを負担に感じる場合があります。

必要な現実は伝えながらも、

「目標までに、今できることを一緒に考えよう」

と、次の行動につなげることが大切です。

⑤ 子どもの話を聞かずに一方的に指示する

「いいから早くやりなさい」

と言う前に、

「今、何をしようと思っていた?」

と聞いてみましょう。

子どもなりの予定や考えがあるかもしれません。

もちろん、約束を守ることや生活習慣を整えることも大切です。

そのうえで、子どもの考えを聞く時間をつくってみましょう。

大切なのは、これらの言葉を一度も使わないことではありません。気づいたときに、少しずつ言い換えていくことです。


5. 小学生・中学生・高校生で声かけはどう変える?

同じ言葉でも、子どもの年齢や発達段階、性格によって受け止め方は異なります。

学年が上がるにつれて、保護者がすべてを決めるのではなく、子ども自身が考えて決める機会を増やしていくことが一つの目安になります。

小学生は勉強の取りかかりを助け、中学生は計画づくりを支え、高校生は自主性を尊重する学年別の声かけを示した図解
学年意識したい関わり方声かけ例
小学生取りかかりを助け、できたことを認める「まず何をやってみようか?」
中学生意見を尊重し、計画づくりを支える「今週はどう進める予定?」
高校生自主性を尊重し、必要なときに相談に乗る「困っていることがあれば相談してね」

小学生|勉強を始めるきっかけを一緒につくる

小学生のうちは、何をどの順番で進めるか、保護者の手助けが必要な場合があります。

「まず漢字を5分やってみようか」

「終わったら一緒に確認しよう」

など、具体的で分かりやすい言葉を意識してみましょう。

特に低学年では、勉強を始められたことや、最後まで取り組めたことを認めるのもよい方法です。

中学生|自分で考えて決める機会を増やす

中学生になると、定期テストや部活動など、予定が複雑になります。

保護者がすべて決めるのではなく、

「テストまであと2週間だけど、どう進める予定?」

「今週はどの教科を重点的に勉強する?」

といった声かけを試してみましょう。

例えば、定期テスト前に計画が立てられない場合は、まず学校のワークの残りページを確認し、1日あたりの学習量を一緒に考える方法があります。

計画がうまくいかなかったときも、責めるのではなく、次の改善につなげることが大切です。

高校生|自主性を尊重し、必要なときに支える

高校生になると、学習内容も難しくなり、進路について自分で考える場面が増えていきます。

「勉強しなさい」と細かく指示するよりも、

「今、困っていることはある?」

「必要なら相談に乗るよ」

と伝える方が、話しやすい場合もあります。

ただし、本人が困っているときには、具体的な支援が必要です。

放任することと、自主性を尊重することは同じではありません。

どの学年でも、子どもの性格やその日の様子に合わせて、言葉を選んでみてください。


6. 家庭で実践!1週間の声かけチャレンジ

ここまで読んで、「言葉を変えた方がよいのは分かったけれど、実際にできるか心配」と感じる方もいるかもしれません。

そこで、家庭で取り組みやすい1週間の声かけ例を紹介します。

毎日すべてを実践する必要はありません。

まずは、できそうな言葉を一つ選んでみてください。

月曜日から日曜日まで、子どものやる気を支える声かけの例とチェック欄をまとめた1週間の実践シート

1週間の声かけチャレンジ表

曜日テーマ試してみたい声かけチェック
月子どもの話を聞く「今日はどんな一日だった?」□
火自分で決めてもらう「何から始めようか?」□
水努力を認める「昨日も続けていたね」□
木困りごとを聞く「どこが難しかった?」□
金成長に目を向ける「前よりできるようになったね」□
土一緒に振り返る「今週うまくいったことは?」□
日来週の予定を考える「来週はどう進めようか?」□

この表は、BONDSが家庭での実践例として提案するものです。公的機関が効果を検証したプログラムではありません。

続けるための3つのコツ

① 1日1つだけ意識する

すべての言葉を一度に変える必要はありません。

まずは、いつも使っている言葉を一つ選んで、言い換えてみましょう。

② 子どもの反応を観察する

声をかけたときに、子どもがどのような反応をしたかを見てみましょう。

すぐに勉強を始めたかどうかだけでなく、話をしてくれたか、自分の考えを伝えてくれたかにも目を向けてみます。

③ うまくいかない日があっても気にしすぎない

声かけを変えたからといって、すぐに子どもの行動が変わるとは限りません。

「何時から勉強する?」と聞いても、「分からない」と返ってくることもあるでしょう。

そんなときは、

「夕食の前と後なら、どちらがよさそう?」

と、選びやすい形にしてみる方法もあります。

また、子どもが話したくなさそうなときには、無理に答えを求めず、時間を置くことも大切です。

声かけは、子どもを思いどおりに動かすためのものではありません。

親子で話し合いながら、勉強に向かう方法を一緒に見つけていくためのものです。


7. まとめ|言葉を変えることから親子の対話を始めよう

「勉強しなさい」という言葉には、子どもを心配する保護者の気持ちが込められています。

だからこそ、その気持ちが伝わるように、声のかけ方を少し工夫してみませんか。

今回紹介したポイントは、次の3つです。

  1. まず子どもの気持ちや状況を聞くこと
  2. 結果だけでなく、努力や工夫にも目を向けること
  3. 一方的に指示するのではなく、自分で考える機会をつくること

もちろん、声かけだけですべての問題が解決するわけではありません。

勉強の内容が難しい場合には学習方法の見直しが必要ですし、疲れがたまっている場合には休息が必要なこともあります。

大切なのは、子どもの様子を見ながら、今必要な関わり方を考えることです。

今日、子どもに「勉強しなさい」と言いたくなったら、まずは一度、

「今日は何から始めようか?」

と聞いてみてください。

その一言が、親子で勉強について話し合うきっかけになるかもしれません。


参考資料

本記事は、以下の公的資料を参考に作成しました。場面別の声かけ例や1週間の実践表は、資料の考え方を踏まえた家庭向けの提案です。

1. 文部科学省『生徒指導提要(改訂版)』

  • 公表:2022年12月
  • 内容:自己存在感、共感的な人間関係、主体的な課題への挑戦など
  • 文部科学省公式資料

2. OECD『PISA 2022 Results, Volume II』

  • 調査:2022年
  • 公表:2023年
  • 内容:家庭からの支援、日常的な交流、数学の成績との関連
  • OECD公式資料

3. OECD『PISA 2022 Results, Volume V』

  • 調査:2022年
  • 公表:2024年
  • 内容:保護者との交流と学習方略・学習意欲との関連
  • OECD公式資料

4. 愛媛県『励まし方やほめ方、どうしてる?』

  • 更新:2024年3月27日
  • 内容:子どもへの励まし方・ほめ方を考える保護者向け学習教材
  • 愛媛県公式資料

5. 愛媛県『我が家のルールづくり』

  • 更新:2026年6月30日
  • 内容:ネットやゲームとの付き合い方、家庭でのルールづくり
  • 愛媛県公式資料

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