暗記してもすぐ忘れる中学生へ|覚えたことを定着させる方法

「昨日覚えた英単語なのに、今日はもう思い出せない」

「社会の用語を何度も書いたのに、テストになると出てこない」

「ちゃんと勉強しているのに、なかなか覚えられない」

こんな悩みはありませんか?

中学生になると、英単語や漢字、歴史の出来事、理科の重要語句など、覚えることが増えてきます。時間をかけて勉強したのに忘れてしまうと、「自分は暗記が苦手なのかも」と感じることもあるでしょう。

しかし、暗記で大切なのは、勉強した時間や書いた回数だけではありません。覚えた内容を自分の頭から思い出すこと、そして時間を空けて復習することが重要です。

この記事では、暗記してもすぐ忘れてしまう理由と、覚えたことを定着させる具体的な方法を紹介します。

英語・社会・理科の教科別の覚え方や、今日から始められる1週間の復習スケジュールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


1.暗記してもすぐ忘れるのはなぜ?

昨日覚えたのに今日忘れるのはなぜ?

覚えたことを忘れるのは、誰にでも起こる自然なことです。すぐに忘れてしまうからといって、記憶力が悪いとは限りません。

例えば、こんな場面を想像してみてください。

中学2年生のAさんの場合

Aさんは夜に英単語を20個覚えました。覚えた直後は、ほとんどの単語の意味を答えられました。

ところが翌朝、英単語だけを見て日本語の意味を答えるテストをすると、思い出せたのは10個ほどでした。

※説明のための架空の例です。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。

覚えた直後は、学習した内容を思い出しやすい状態にあります。しかし、時間がたつと、思い出せなくなることがあります。

また、単語帳を見ながら覚えていると、答えが目に入っているため、実際以上に「覚えた」と感じやすくなります。

だからこそ、覚えた直後だけでなく、時間がたってからも答えられるかを確かめることが大切です。

「覚えたつもり」と「思い出せる」は違う

暗記の状態を、次の3つに分けて考えてみましょう。

  1. 見ると分かる: 単語帳や教科書で答えを確認すると、意味が分かる。
  2. 何も見ずに思い出せる: 答えを隠しても、自分で言ったり書いたりできる。
  3. 時間がたっても思い出せる: 数日後に確認しても、答えられる。

例えば「environment(環境)」という英単語を覚えたとします。

英単語と日本語訳を一緒に見れば分かるのに、日本語訳を隠すと意味が出てこないことがあります。

これは「見れば分かる」状態であり、自分で思い出せるとは限りません。

テストでは、問題を見て、学習した知識を自分の頭から取り出す必要があります。

覚えたかどうかは、答えを隠して確かめる。 これを意識してみましょう。

見ると分かる、何も見ずに思い出せる、時間がたっても思い出せるという記憶の3段階

2.覚えたことが定着しない4つの原因

暗記がうまくいかないときは、勉強のやり方に改善できるところがないかを確認してみましょう。

よくある原因として、次の4つが考えられます。

原因① 教科書やノートを読むだけになっている

教科書やノートを読むことは、内容を理解するために必要です。

ただし、何度も読むだけでは、自分が本当に覚えているかどうかは分かりません。

読んでいる間は理解できていても、教科書を閉じると説明できないことがあります。

原因② 何度も書くことが目的になっている

英単語や漢字を覚えるために、何度も書いて練習する人は多いと思います。

書くこと自体は悪い方法ではありません。漢字の形や英単語のつづりを覚えるには、実際に書く練習も役立ちます。

しかし、10回書いたからといって必ず覚えられるわけではありません。

書く回数をこなすことが目的になっていないか、振り返ってみましょう。

原因③ テスト直前にまとめて暗記している

定期テストの前日になって、英単語や社会の用語を一気に覚えようとしたことはありませんか?

短時間に集中して覚える方法は、直後のテストでは役立つ場合があります。

しかし、長く覚えておきたい内容については、日にちを分けて学習することも重要です。

テスト前だけでなく、普段から復習する機会をつくりましょう。

原因④ 覚えた後に確認していない

新しい内容を覚えることに集中して、以前覚えた内容を確認していない場合もあります。

例えば、月曜日に英単語20個、火曜日に20個、水曜日に20個と覚えても、月曜日の単語を今も思い出せるか確かめていなければ、定着しているかどうかは分かりません。

一度覚えた内容も、時間を空けて確認することが大切です。

読むだけ、書くだけ、テスト直前の暗記、復習不足という4つの原因

3.暗記が苦手な中学生が見直したい勉強法

暗記の方法を改善するために、特別な教材を用意する必要はありません。

学校の教科書やワーク、いつもの単語帳を使いながら、勉強の進め方を少し変えてみましょう。

勉強法をNG→OKで比較

見直したい勉強法改善する勉強法
教科書を繰り返し読むだけ読んだ後に閉じて内容を説明する
英単語を何度も書くだけ意味やつづりを隠して答える
ノートをきれいにまとめるだけまとめた内容を小テストにする
テスト前日に一気に覚える数日に分けて復習する
読むだけから説明する学習へ、書くだけから思い出す学習へ変える4つの改善例

読むだけの勉強に「思い出す練習」を加える

例えば、理科で「光合成」を勉強する場合です。

まずは教科書を読んで、内容を理解しましょう。

その後、教科書を閉じて、次の質問に答えてみてください。

  • 光合成には何が必要?
  • 光合成によって何がつくられる?
  • 光合成は植物のどこで行われる?

答えられなかったところは、教科書を開いて確認します。

このように、読むことに加えて「思い出す練習」を取り入れましょう。

書いた後は、何も見ずに答えられるか確認する

例えば「important(重要な)」という英単語を覚える場合です。

最初に意味・発音・つづりを確認します。

次に、英単語だけを見て日本語の意味を答えます。

さらに、日本語だけを見て、英単語を何も見ずに書いてみましょう。

間違えたら正しいつづりを確認し、もう一度挑戦します。

目標にするのは書く回数ではなく、自分の力で答えられることです。

学習を数日に分けて進める

例えば、月曜日に英単語を20個覚えたら、火曜日にもう一度確認し、週末にも小テストをします。

このように、時間を空けて繰り返し学習する方法を「分散学習」といいます。

学習方法に関する研究レビューでも、分散学習は有用性の高い方法として評価されています。

学校のワークを効果的に使う方法はこちら
ワークを3周すれば成績は上がる?効果的な問題集の使い方


4.覚えたことを忘れにくくする5つの方法

ここからは、今日から実践できる具体的な暗記方法を紹介します。

2013年に発表されたDunloskyほかの研究レビューでは、10種類の学習方法が検討されました。その中で、有用性が高いと評価された方法が「練習テスト」と「分散学習」です。

また、OECDが2025年に刊行した教育研究報告書でも、時間を空けて以前に学んだ知識を思い出すことが、長期的な学習に役立つ可能性について説明されています。

これらの研究を参考に、中学生が取り入れやすい方法を5つ紹介します。

方法① 時間を空けて繰り返し復習する(分散学習)

同じ内容を一度にまとめて覚えるのではなく、日にちを分けて復習する方法です。

例えば、英単語20個を覚える場合、当日に覚えた後、翌日や数日後にも小テストをします。

覚えられている内容は復習の間隔を長めにし、忘れやすい内容は早めに確認するなど、自分に合わせて調整しましょう。

方法② 答えを隠して思い出す(検索練習)

暗記でぜひ取り入れてほしいのが、答えを見ずに思い出す練習です。

この方法を「検索練習」と呼びます。

例えば、社会で「参勤交代」を学習した場合です。

  1. 教科書で参勤交代の意味を確認する。
  2. 教科書を閉じる。
  3. 「参勤交代とは何か」を自分の言葉で説明する。
  4. 正しい説明と比べる。
  5. 足りなかったところを確認して、もう一度説明する。

思い出す練習は、覚えているかを確かめるためだけのものではありません。

思い出そうとすること自体が、学習につながります。

方法③ 自分で小テストを作る

学校の小テストを待つだけでなく、自分で問題を作ってみるのもおすすめです。

例えば、理科の光合成なら、次のような問題が作れます。

問題1: 植物が光合成をするときに取り入れる気体は何ですか?

問題2: 光合成によってつくられる養分の一つは何ですか?

問題3: 光合成にはなぜ光が必要なのですか?

作った問題は、翌日以降に答えを隠して解いてみましょう。

自分で作るのが難しければ、学校のワークや教科書の確認問題を使っても構いません。

方法④ 覚えた内容を自分の言葉で説明する

用語を覚えるだけで終わらせず、その意味やつながりまで説明できるようにしましょう。

社会なら「なぜその出来事が起きたのか」、理科なら「なぜその実験結果になったのか」を説明してみます。

うまく説明できないところがあれば、理解があいまいな部分を見つける手がかりになります。

難しい言葉を使う必要はありません。友達や家族に話すつもりで、簡単な言葉で説明してみましょう。

方法⑤ 間違えた問題を優先して復習する

すでに覚えている内容ばかり繰り返すのではなく、思い出せなかった内容を確認する時間も確保しましょう。

例えば、英単語20個の小テストで15個正解し、5個間違えた場合です。

まずは間違えた5個を確認して、もう一度答えてみます。

その後、時間を空けて20個全体を再テストします。

正解した単語も、時間がたつと忘れることがあるためです。

5つの方法を一度にすべて始める必要はありません。まずは「答えを隠して思い出す」「翌日にもう一度確認する」の2つから試してみましょう。

分散学習、検索練習、小テスト、説明、間違い直しの5つの暗記方法

5.英語・社会・理科で実践!教科別の暗記方法

どの教科でも、暗記の基本は「覚える→思い出す→確認する」の繰り返しです。

ただし、教科によって覚える内容が違うため、それぞれに合った工夫を取り入れましょう。

英語|英単語を見て覚えるだけで終わらせない

英単語は、意味だけでなく発音やつづり、使い方まで確認しておきたいところです。

例えば「beautiful(美しい)」を覚えるなら、次のように進めてみてください。

  1. 発音を聞いて、声に出す。
  2. 日本語の意味を確認する。
  3. 英単語を見て、意味を答える。
  4. 日本語を見て、英単語を書いてみる。
  5. 数日後に、もう一度確認する。

覚えた単語を短い英文の中で使ってみるのもおすすめです。

例:This flower is beautiful.

単語の意味だけでなく、文の中での使われ方も確認できます。

社会|歴史の出来事を理由や流れと一緒に覚える

社会は、用語を一つずつ覚えるだけでなく、出来事の背景やつながりを整理することが大切です。

例えば「鎌倉幕府」なら、次のようなことも確認しておきましょう。

  • どのような時代に成立したのか。
  • 誰が中心になって政治を進めたのか。
  • 武士による政治には、どのような特徴があったのか。

確認できたら、教科書を閉じて自分の言葉で説明してみます。

用語を覚える学習と、歴史の流れを理解する学習を組み合わせましょう。

理科|用語と意味、図や仕組みを結びつける

理科では、用語を覚えるだけでなく、図や実験の内容まで理解しておくことが大切です。

例えば「光合成」なら、次のポイントを整理しておきましょう。

  • 光合成に必要なもの
  • 光合成によってつくられるもの
  • 光合成が行われる場所
  • 光合成と呼吸の違い

教科書の図を見ながら確認したら、今度は図を隠して説明してみます。

覚えた用語を、実験や問題の中で使えるかどうかも確かめてください。

教科別の暗記方法まとめ

教科覚えるときの工夫覚えた後の確認
英語発音・意味・つづりを結びつける意味を答える・単語を書く
社会出来事の理由や流れを整理する自分の言葉で説明する
理科用語と図・仕組みを結びつける図を隠して説明する

6.今日から始める!1週間の復習スケジュール

覚え方が分かっても、実際に続けられなければ効果は期待できません。

そこで、家庭でも取り組みやすい1週間の復習スケジュールを紹介します。

復習はいつするのがいい?

大切なのは、一度覚えた内容をそのままにしておかないことです。

月曜日に英単語を20個覚えたなら、翌日や数日後にも確認するタイミングをつくりましょう。

最初は、次のような計画から始めてみてください。

タイミング学習内容時間の目安
当日新しい内容を覚え、小テストをする10分
翌日答えを見ずに確認する5分
3日後間違えた内容を中心に復習する5~10分
1週間後全体をもう一度テストする10分

※時間と復習の間隔は、家庭で実践するための一例です。研究で唯一最適と証明されたものではありません。学習内容や本人の理解度に合わせて調整してください。

1日5~10分から始める復習習慣

復習のために、毎日まとまった時間を確保しなければならないわけではありません。

例えば、学校の宿題を始める前の5分間で、前の日に覚えた英単語を確認する方法があります。

また、寝る前に社会の重要語句を5個だけ確認する方法でもよいでしょう。

まずは1日5~10分から始め、覚える量や理解度に応じて時間を調整しましょう。

覚えられなかった問題はどうする?

小テストで間違えたときは、次の順番で取り組んでみてください。

  1. 正しい答えを確認する。
  2. なぜ間違えたのかを考える。
  3. 答えを隠して、もう一度解く。
  4. 時間を空けて、再確認する。

英単語のつづりを間違えたなら、どこを間違えたのかを確かめてから書き直します。

意味が思い出せなかったなら、発音や例文と結びつけて覚え直してみましょう。

間違いは、次に何を復習すればよいかを教えてくれる手がかりです。

定期テストに向けた5教科の勉強順序はこちら
テスト勉強は何から始める? 5教科の「順番」の決め方


7.暗記が苦手な子どもに保護者ができること・まとめ

中学生の暗記を支えるうえで、家庭での声かけも助けになります。

「もう覚えた?」より「説明してみて」と聞く

お子さんの勉強の様子を見て、「もう覚えたの?」と聞くこともあるかもしれません。

もちろん、覚えたかどうかを確認することは大切です。

ただ、質問の仕方を少し変えることで、お子さんが自分の理解度を確かめるきっかけになります。

避けたい声かけおすすめの声かけ
「何回書いたの?」「何も見ずに答えられる?」
「また忘れたの?」「もう一度確認してみよう」
「昨日覚えたでしょう?」「どこが思い出しにくかった?」
「全部覚えなさい」「まず5個から確認してみよう」

家庭で小テストを出すときも、正解の数だけを見る必要はありません。

「昨日は答えられなかった問題が、今日は答えられた」という小さな変化にも目を向けてみましょう。

覚えられなかったことを責めず、復習方法を見直す

同じ内容を何度も忘れてしまうと、保護者の方も心配になるかもしれません。

そんなときは、覚えられなかったことを責めるのではなく、勉強のやり方を一緒に振り返ってみてください。

「読むだけになっていないかな?」

「答えを隠して確認してみようか?」

「明日、もう一度やってみよう」

このような声かけなら、次に何をすればよいかが分かりやすくなります。

また、暗記のために睡眠時間を削ることは避け、普段の生活リズムも大切にしましょう。

まとめ|暗記は覚え方と復習の仕方で変わる

今回は、暗記してもすぐ忘れてしまう理由と、覚えたことを定着させるための勉強法を紹介しました。

特に大切なのは、次の5つです。

  1. 時間を空けて、繰り返し復習する。
  2. 答えを隠して、自分の頭で思い出す。
  3. 小テストで、覚えたかどうかを確認する。
  4. 覚えた内容を、自分の言葉で説明する。
  5. 間違えた問題を優先して復習する。

暗記が苦手だからといって、あきらめる必要はありません。

まずは今日覚えた英単語を、明日もう一度確認するところから始めてみましょう。

その小さな復習の積み重ねが、学んだことを長く覚えておくための助けになります。
頑張っているのに結果が出ない」子どもに親がかけたい言葉|成績が伸びないときの接し方


参考資料・出典

1.OECD(2025年)

資料名:Unlocking High-Quality Teaching
発行元:経済協力開発機構(OECD)
対象:2025年刊行の教育研究報告書

2.Dunlosky, J. ほか(2013年)

資料名:Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology
掲載誌:Psychological Science in the Public Interest
対象:2013年公表の学習方法に関する研究レビュー

※本記事の学習方法は、これらの研究知見を参考に中学生向けに整理したものです。紹介した復習間隔や学習時間は実践例であり、すべての生徒に同じ効果を保証するものではありません。

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