昔と今ではこんなに違う!親世代が知っておきたい受験の変化
偏差値・暗記・過去問だけでは通用しない時代に
「とにかく勉強して、問題集を何周もすれば大丈夫だった」
「高校受験は中3になってから本気を出せば間に合う」
「大学受験といえば、一般入試で学力試験を受けるもの」
「偏差値の高い学校に入れば、その先も安心」
こうした「受験の常識」を、今でも心のどこかに持っている保護者の方は多いのではないでしょうか。
もちろん、昔の受験勉強にも今につながる大切な要素はたくさんあります。
ただ、制度も、問題の形式も、求められる力も、当時とは大きく変わってきているのが実情です。
特にこの数年は、知識を「覚える」だけでなく「使いこなす」力、複数の資料を読み比べて必要な情報を取り出す力、自分の考えを筋道立てて説明する力、
ICTや情報を活用する力、そして中学校生活そのものの積み重ねが、以前よりもずっと重視されるようになっています。
この記事では、「昔の受験」と「今の受験」の違いを整理しながら、愛媛県・今治市の中学生にとって何が大切なのかを考えていきます。
まずは、親世代のイメージと現在の受験を並べてみましょう。
1. 全体像を比べてみると

| 親世代の受験のイメージ | 現在の受験 |
|---|---|
| 知識・暗記が中心 | 知識に加えて思考・判断・表現も問われる |
| テストの点数がすべて | 複数の評価材料を組み合わせて判定 |
| 偏差値で学校を選ぶ | 学校の特色や進路も含めて検討 |
| 問題集を繰り返し解く | 初めて見る資料や文章への対応力も必要 |
| 正解を出すことが目標 | 答えに至った根拠を説明することも重要 |
| 紙の教材が中心 | ICT・デジタル教材も活用 |
| 大学入試=一般入試 | 一般・推薦・総合型など選抜方法が多様化 |
| 高校受験は中3から本番 | 中1・中2の積み重ねも合否に関わる |
2. PISAが示す「今、求められている力」
大事なのは、「昔のやり方が間違っていた」という話ではないということです。暗記も、計算も、漢字も、英単語も、基礎知識は今も欠かせません。
変わったのは、基礎を身につけた「その先」まで求められるようになったという一点です。
現在の教育の方向性を考えるうえで参考になるのが、OECDが実施している「PISA(生徒の学習到達度調査)」です。
15歳の生徒を対象に、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーなどを測る国際調査で、単に知識量を見るのではなく、
知識や技能を実生活の課題にどう活かせるかを測る点に特徴があります。
日本のPISA 2022の結果
| 分野 | 日本の平均点 | OECD加盟国での順位 |
|---|---|---|
| 数学的リテラシー | 536点 | 1位 |
| 読解力 | 516点 | 2位 |
| 科学的リテラシー | 547点 | 1位 |
日本は3分野すべてでOECD平均を上回りました。
さらに数学では、日本の15歳の88%がLevel 2以上に達しており、OECD平均の69%を大きく上回っています。
ここで注目したいのは、PISAが測っているのが「公式を覚えているか」ではないという点です。
「この状況を数学としてどう表現するか」
「複数の情報からどれを使うべきか」
「現実の問題をどう解決するか」
——こうした力が問われます。
つまり、「知っている」だけでなく「使える」ことが、これからの学習では重要になっているのです。

3. 入試問題はどう変わり、何が新しく加わったのか
大きな変化のひとつが、「問題を解く前に、問題そのものを読み解く」場面が増えたことです。
昔ながらの数学の問題といえば、「次の方程式を解きなさい」というシンプルな出題が中心でした。
もちろん、こうした基礎問題は今も必要です。
しかし現在は、表やグラフを見て、会話文を読み、必要な情報を見つけ出し、数学的な関係を考え、式を立てて計算し、
最後に答えを言葉で説明する
——というように、一つの問題の中にいくつもの工程が組み込まれるようになっています。
これに伴って、「数学が苦手」の意味も変わってきました。
以前は「計算ができない=数学が苦手」というケースが目立ちましたが、
今は
「文章を読む」
「条件を整理する」
「何を求める問題か判断する」
「数学に置き換える」
という段階でつまずく生徒も少なくありません。
数学の勉強は計算練習だけでは完結せず、読む力・整理する力・考える力も得点に直結するようになっているのです。
英語についても同様です。
単語・熟語・文法・基本文は今も重要ですが、それだけでは十分ではありません。
長文の中から必要な情報を探し、文脈を理解し、複数の情報を比較し、自分の考えを表現する
——単語を覚えることはゴールではなく、覚えた単語を文章理解のために使える状態にすることが求められています。
そしてこの変化を象徴するのが、大学入試における「情報Ⅰ」の登場です。
2025年1月の大学入学共通テストから新課程に対応する形で出題が始まり、現在も「情報」を含む新課程対応が続いています。
大学入試センターは、令和9年度試験についても既に公式情報を公開しています。
「パソコンが使えると便利」という時代から、「情報を扱う力そのものが学習・進学に直結する」時代へ。
愛媛県内でも、高校での「情報」教育用アプリの導入や、高校生DX人材育成プロジェクトなどが進められています。

4. スマホは「敵」と決めつけない
SNS・動画・ゲーム・メッセージなどに時間を使いすぎれば、学習時間が削られてしまうのは事実です。
一方で、スマートフォンやタブレットは英単語学習、動画授業、辞書、学習アプリ、オンライン教材、情報検索など、
学びの道具としても十分に機能します。
大切なのは「持っているかどうか」ではなく、何のために、どう使っているか。
これからの子どもたちには、デジタル機器を避けるのではなく、学習に役立つ道具として使いこなす力が求められます。
5. 愛媛県の高校入試も変わっている
今治市・愛媛県の中学生にとって特に重要なのが、この項目です。
大きなポイントのひとつが「特色入学者選抜」です。
令和8年度入学者選抜から、県立高校の全日制の全学科などでこの選抜が実施されるようになりました。
募集人員の上限は、普通科などで30%程度、職業教育を主とする学科・総合学科で50%程度、体育科・芸術科では100%と定められ、各高校がその範囲内で募集人員を決めます。
選考では、各高校・学科が定める出願資格に加え、自己アピール書、面接、学力検査、学科によっては実技テストも課されます。これは、親世代が経験した高校入試とはかなり異なる仕組みです。
一般入試についても、「当日の点数だけ」で決まるわけではありません。
愛媛県の県立高校一般入学者選抜(全日制)では、国語・社会・数学・理科・英語の5教科の学力検査(合計250点満点)に加え、調査書点135点満点が選抜資料に含まれます。
調査書、学力検査、面接・実技テストなどを総合的に見て、高校・学科の特色に応じて判定される仕組みです。
さらに第2選抜では、学力検査・調査書・調査書の各教科の学習の記録以外の記録・面接や実技テストを組み合わせて選抜が行われ、それぞれの比率は各高校・学科が一定の範囲内で設定し、あらかじめ公表することになっています。
つまり、「入試当日に何点取ったか」だけでは、今の愛媛県の高校入試を語りきれないということです。
2026年5月、愛媛県教育委員会は令和9年度の県立高校入試について、学力検査の教科・出題範囲・日程などを公表しました。現時点で公表されている主な日程は以下の通りです。
| 項目 | 2027年度(令和9年度) |
|---|---|
| 一般入学者選抜 | 2027年3月4日・5日 |
| 一般入試の合格発表 | 2027年3月18日 |
| 特色入学者選抜 | 2027年1月29日 |
| 特色入学の合格発表 | 2027年3月18日 |
この日程を見るだけでも、高校入試が「中3の3月だけのイベント」ではないことが分かります。
特に特色入学を視野に入れる場合は、より早い段階から学校選びや出願資格、自己アピールの準備を始める必要があります。

6. 今治市の中学生にとって大切なこと
では、今治市の中学生は何をすればよいのか。
結論は、特別な何かを始めることではなく、中学校生活そのものを大切にすることに尽きます。
中学1年生は、英単語や計算などの基礎を固め、授業を大切にし、家庭学習の習慣をつくること。
定期テスト前だけの勉強にしないことが肝心です。
中学2年生は、苦手教科を放置せず、応用問題にも挑戦しながら読解力・記述力を伸ばしていく時期。
志望校についても少しずつ情報を集め始めたいところです。
中学3年生になったら、内申・調査書を意識しつつ、志望校の入試制度をきちんと確認すること。
夏以降は過去問だけでなく初見の問題にも対応できるよう、自分の弱点を具体的に把握しながら仕上げていく必要があります。
7. 親世代の常識が通用しにくい5つのケースと、チェックリスト
保護者の皆さんに特に知っておいていただきたいポイントを、5つにまとめました。
① 「偏差値の高い学校に行けば安心」
—偏差値は重要な情報の一つですが、それだけで決めるのではなく、学校の特色、教育内容、進学・就職実績、部活動、通学のしやすさ、将来の進路まで含めて見ておきたいところです。
② 「暗記すれば何とかなる」
—暗記は今も必要な力ですが、「覚える→使う→考える→説明する」というところまでできて初めて得点につながるようになっています。
③ 「受験勉強は中3から」
—愛媛県の一般入学者選抜では調査書点も選抜資料に含まれるため、中1・中2の学習もすでに受験勉強の一部と考えるべきでしょう。
④ 「スマホは全部禁止」
—学習を妨げる面もある一方、使い方次第で学習ツールにもなります。禁止するより、使い方を管理することの方が現実的です。
⑤ 「自分が受験した時と同じ方法で勉強させる」
——最も注意したいのがここです。保護者ご自身の受験経験は貴重な参考材料ですが、入試制度・教科・問題形式・ICT環境はすでに変化しています。
「お父さん(お母さん)の時代はこうだった」ではなく、「今の入試はどうなっているのか」を親子で一緒に確認する姿勢が大切です。
これを踏まえて、ご家庭で以下の項目を一度確認してみてください。
入試制度:
・志望校の入試制度を把握している
・一般入学と特色入学の違いを理解している
・最新の募集要項を確認している
学習:
・「勉強時間の長さ」だけで判断していない
・何を理解できているかを確認している
・暗記だけでなく説明する練習もしている
・苦手教科を放置していない
学校生活:
・定期テストの点数だけを見ていない
・日々の授業を大切にしている
・提出物なども含めて学校生活全体を大事にしている
デジタル:
・スマホの使用時間だけを問題にしていない
・学習に使えるアプリや教材を把握している
・SNS・動画・ゲームとのバランスを考えている
親子のコミュニケーション:
・「勉強しなさい」だけで終わっていない
・子どもの話にきちんと耳を傾けている
・自分の受験経験を一方的に押しつけていない
・最新の情報を親子で一緒に確認している

8. それでも受験の基本は変わらない——学習塾BONDSから
ここまで読むと、「昔と今は全然違う」と感じられるかもしれません。
しかし、受験の基本そのものは、今も変わっていません。
毎日勉強すること。基礎を大切にすること。分からないところを放置しないこと。間違いをやり直すこと。
本を読み、語彙を増やし、計算力を身につけ、英単語を覚えること。
学校の授業を大切にし、最後まであきらめずに取り組むこと
——これらは、今も昔も変わらず重要です。
変わったのは、「基礎を身につければそれで終わり」ではなくなったという点なのです。
学習の段階を整理すると、次の4つに分けられます。
①分かる(授業や教科書の内容を理解する)、
②思い出せる(自分の力で知識を再現できる)、
③解ける(問題に知識を使える)、
④応用できる(初めて見る問題や資料にも対応できる)。
特に大切なのは、「分かったつもり」で終わらせないことです。
受験は変わりました。
しかし、子どもたちに必要なものがすべて変わったわけではありません。
基礎を身につけること。
毎日の学習を積み重ねること。
分からないことをそのままにしないこと。
自分の力で考えること。
そして最後まで努力すること
——これらは今も受験の土台です。
その一方で、「覚えた知識をどう使うか」「初めて見る問題にどう対応するか」「自分の考えをどう説明するか」という力も、これまで以上に重要になっています。
だからこそ保護者の皆さまには、「私たちの時代はこうだった」だけでなく、「今の子どもたちは、どんな受験をするのだろう」という視点をぜひ持っていただきたいと思います。
学習塾BONDSでは、
愛媛県・今治市の高校入試を見据えながら、単に「答えを覚える」だけでなく、「分かる→思い出す→解ける→応用できる」という学びを大切にしています。
受験制度が変わっても、子どもたちが一歩ずつ着実に成長していけるよう、これからも学習をサポートしてまいります。

まとめ
「昔の受験」と「今の受験」は、確かに変わりました。
特に大きいのは、
知識だけでなく活用する力が求められるようになったこと
読解・思考・判断・表現が重視されるようになったこと
大学入試に「情報Ⅰ」が加わったこと
高校入試の選抜方法が多様化したこと
愛媛県で特色入学者選抜が導入されたこと
調査書や学校生活が持つ意味が大きくなったこと
そしてICTが学習に組み込まれる時代になったことです。
保護者に必要なのは、昔の受験を否定することでも、今の受験を恐れることでもありません。
「変わった部分」と「変わらない部分」の両方を知り、今の子どもに合った学び方を一緒に考えていくこと。
それが、これからの受験を支える大切な一歩になるはずです。
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