「授業は分かるのにテストになると解けない」高校生のための勉強法
「分かる」を「解ける」に変える。テストで点数につながる勉強とは?
「授業中は分かっているのに、テストになると解けない」
「先生の説明を聞けば分かるのに、自分一人になると解けない」
「家ではできたはずなのに、テストでは思うように点数が取れない」
こうした悩みを、高校生からよく相談されます。
テストが返ってきて、
「この問題、授業でやったのに……」 「答えを見たら分かるのに……」 「ちゃんと勉強したはずなのに……」
そう感じた経験はないでしょうか。
実はこれ、必ずしも「理解力がない」ということではありません。大きな原因のひとつは、
「分かる」と「自分で解ける」は違う
という点にあります。
高校の学習では、授業を聞いて内容を理解するだけでなく、そこから自分で知識を思い出し、問題に合わせて使いこなす力が求められます。
今回は「授業は分かるのにテストになると解けない」という高校生に向けて、「分かる」を「解ける」に変える勉強法を紹介します。
1.「分かる」と「解ける」は、実は別の力
まずはこの違いを理解することから始めましょう。
例えば数学の授業で、先生が問題の解き方を説明してくれたとします。
「まず、この条件から○○を求めます」 「ここでこの公式を使います」 「この式を変形すると……」
そう説明され、「なるほど!」と納得しながら例題を一緒に解いていく。この段階では、確かに「分かっている」状態です。
しかし、テストでは先生が隣にいて「この公式を使いますよ」「ここがポイントですよ」と教えてくれるわけではありません。
問題を読んで、「これは何の問題だろう?」「どの公式を使う?」「まず何を求めればいい?」と、すべて自分で考える必要があります。
つまり、授業=ヒントがある状態なのに対し、テスト=自分でヒントを見つける状態なのです。
「分かる」から「解ける」までの5段階
| 段階 | 状態 | できること |
|---|---|---|
| ① 知る | 授業で内容を知った | 内容を聞いたことがある |
| ② 分かる | 説明を聞けば理解できる | 先生と一緒なら解ける |
| ③ 思い出せる | 何も見ずに再現できる | 必要な知識を取り出せる |
| ④ 使える | 自力で問題を解ける | 問題に合わせて知識を使える |
| ⑤ 応用できる | 初めて見る問題にも対応できる | 条件を判断して解法を選べる |
「授業が分かった」というのは、②の段階にすぎないかもしれません。一方、テストで必要になるのは③〜⑤です。
だからこそ、「授業では分かったのに、テストではできなかった」ということが起こるのです。

2.なぜ今、「自分で学習を調整する力」が重要なのか?
ここは、今の高校生にぜひ知っておいてほしいポイントです。
現在の学習では、単に知識を覚えるだけでなく、「自分は何ができて、何ができないのかを確認し、勉強方法を修正する」ことが重視されています。
文部科学省も学習指導要領の中で「主体的・対話的で深い学び」を掲げ、学んだことを振り返り、次の学びにつなげることを大切にしています。
また、OECDのPISA 2022では、学習者が自分の学習をコントロールしたり、学習状況をモニターしたりする「学習方略」が調査対象になっており、
OECDはこうした方略や行動が生涯にわたって自ら学ぶ力につながる重要な要素だとしています。
つまり、「今日は3時間勉強した」で終わるのではなく、「3時間勉強して、何ができるようになった?」と考えることが重要なのです。
3.「勉強しているのに解けない」5つの原因
では、具体的にどんな勉強方法が原因になっているのでしょうか。
① 教科書・ノートを見るだけになっている
テスト前になると、教科書を読む、ノートを見返す、マーカーを引いたところを見る、授業プリントを読み直す……という勉強が中心になっていませんか。
もちろん、これらも復習には必要です。
しかし、「見れば分かる」ことと「何も見ずに思い出せる」ことは別物です。そこで取り入れたいのが「思い出す練習」です。
英単語なら、「important」を見て「重要な」と分かるだけでなく、「重要な」→ important と自分で思い出す。
数学なら公式を見るのではなく、「この条件なら、どの公式を使う?」と考えてから公式を確認する、といった具合です。
学習研究では、単に読み直すよりも、学んだ内容を自分で思い出す「practice testing(テスト練習)」や、時間を空けて復習する「distributed practice(分散学習)」が有効な学習法として挙げられています。
② 答えを見て「分かった」と思っている
数学では特に注意が必要です。
問題を解く → 分からない → 解答を見る → 「なるほど!」→ 「分かった!」
ここで終わっていませんか。
本当に重要なのはその後です。
解答を閉じて、もう一度自力で解く。
さらに翌日、もう一度解いてみる。この「自力で再現する練習」が大切です。
③ 同じ問題なら解けるが、少し変わると解けない
問題集を何度も繰り返しているのに、テストでは解けない。これもよくあるケースです。
問題集では「この問題はこの公式」と分かっている。
ところがテストでは、数字が違う、条件が違う、問題文が違う、図が違う、聞かれ方が違う、ということが起こります。
必要なのは、「この問題の答えは何か」ではなく、「なぜこの解き方をするのか」を理解することです。
④ テスト前に一気に勉強している
テスト前の集中学習も必要ですが、すべてを直前に詰め込むのはおすすめできません。
一度覚えた内容を、時間を空けて何度も思い出すことを意識しましょう。
例えば英単語なら、こんなスケジュールが考えられます。
| 日 | 学習内容 |
|---|---|
| 月 | 新しい20語 |
| 火 | 月曜の20語+新しい20語 |
| 水 | 月・火の復習+新しい20語 |
| 木 | 間違えた単語を重点復習 |
| 金 | まとめテスト |
「一度覚えたから終わり」ではなく、忘れかけたところでもう一度思い出すことがポイントです。
⑤ 間違えた問題を「答え合わせ」で終わらせている
「×だった」→「正解を書いた」→「終わり」ではなく、「なぜ間違えたのか?」まで確認しましょう。
間違いを分類してみよう
| 間違い方 | 原因の例 | 次にすること |
|---|---|---|
| 知識を知らない | 暗記不足 | 覚え直す |
| 覚えていたのに出ない | 想起不足 | 思い出す練習 |
| 解き方が分からない | 理解不足 | 例題を確認 |
| 問題文を読み違えた | 読解・確認不足 | 条件に線を引く |
| 計算ミス | 処理・確認不足 | 見直し方法を決める |
| 時間が足りない | 演習・時間配分不足 | 時間を測って練習 |
同じ「×」でも、原因は違います。だからこそ、「間違えた問題」ではなく「間違え方」を分析することが重要なのです。
4.「分かる」を「解ける」に変える5ステップ
ここからは、実際の勉強方法を紹介します。おすすめは、思い出す → 解く → 説明する → 変化させる → 確認するという流れです。
STEP1 授業後に「何も見ずに思い出す」
授業が終わったら、ノートを閉じます。
そして、
今日何を習った?
重要なポイントは?
どんな公式を使った?
どんな問題を解いた?
どこが難しかった?
と自分に問いかけて思い出します。
全部思い出せなくても構いません。むしろ、「思い出せない部分が見つかった」ことに意味があります。
STEP2 例題を自力で解く
授業で解いた例題を、翌日にもう一度解いてみます。
ポイントは教科書やノートを見ないこと。
分からなければ解説を見ても構いませんが、見たら閉じて、もう一度自力で解く。
これをセットにしましょう。
STEP3 「なぜ?」を説明する
問題が解けたら、「なぜこの方法を使ったの?」と自分に問いかけます。
数学なら「この条件から○○が分かるので、この公式を使う」、
英語なら「主語と時制から、この形になる」、
理科なら「○○が原因となって、△△になる」というように説明してみます。
説明できるかどうかは、自分の理解度を確認する良い方法です。
STEP4 少し違う問題に挑戦する
次は、数字が違う、問題文が違う、条件が違う、出題形式が違う問題に挑戦します。
ここで、「本当に知識を使えるのか」が分かります。
STEP5 最後にミニテストをする
勉強の最後に、自分で小さなテストをします。
例えば数学30分、英単語10分、英文法20分など。
教科書・ノート・スマホなしで、本番に近い条件で自分の力を確認しましょう。
5.教科別「分かる→解ける」勉強法
教科によって、鍛えるべき力は少し違います。
| 教科 | 「分かる」だけの状態 | 「解ける」ための練習 |
|---|---|---|
| 数学 | 解説を聞けば分かる | 自力演習・類題・初見問題 |
| 英語 | 文法説明を聞けば分かる | 英作文・語句想起・長文 |
| 国語 | 解説を読めば納得できる | 本文から根拠を探す |
| 理科 | 用語を知っている | 原因・結果を説明する |
| 社会 | 用語を覚えている | 原因・背景・結果をつなげる |
数学――「公式」ではなく「使う場面」を覚える
数学は、公式 → 例題 → 自力演習 → 類題 → 初見問題という流れがおすすめです。
特に、「この問題だからこの公式」ではなく、「この条件だから、この解法を使う」と考えることが重要です。
英語――「見て分かる」から「自分で出せる」へ
英単語は、「英語を見て日本語が分かる」だけでなく、「日本語を見て英語を思い出す」練習も行いましょう。
文法も、「これは現在完了」と名前を覚えるだけでなく、「なぜここでは現在完了になるのか?」を説明できるようにします。
国語――「答え」ではなく「根拠」を探す
国語では、「なぜその答えになるのか?」を考えます。
特に記述問題では、本文 → 根拠 → 答えのつながりを意識しましょう。
理科――用語を「つながり」で覚える
理科は、原因 → 変化 → 結果という流れで整理します。
「○○という用語を覚えた」だけでなく、「○○が起こると、なぜ△△になるのか」まで説明できるようにしましょう。
地理・歴史・公民――単語ではなく「流れ」
社会は、原因 → 出来事 → 結果を意識します。
歴史なら、「なぜこの出来事が起こったのか?」「その結果、何が変わったのか?」まで考えます。

6.テスト前は「勉強」から「本番練習」へ
テスト前には一度、「テストと同じ条件」で練習してみましょう。
本番形式チェック
- 教科書を見ない
- ノートを見ない
- 時間を測る
- スマホを触らない
- 本番と同じくらいの問題数にする
- 途中で答えを確認しない
そして採点します。ここで大切なのは、「何点だったか」だけを見ないことです。
例えば80点だった場合、「80点取れた!」で終わるのではなく、「残り20点は、なぜ取れなかったのか?」まで分析しましょう。
7.テスト後こそ、次の点数を上げるチャンス
テストが終わると、「終わった!」で満足してしまいがちです。しかし、テストは自分の勉強方法をチェックするための材料でもあります。
テスト後の失点分析
| 質問 | チェック |
|---|---|
| 知識を覚えていなかった? | □ |
| 覚えていたのに思い出せなかった? | □ |
| 解き方が分からなかった? | □ |
| 問題文を読み違えた? | □ |
| 計算・記入ミスだった? | □ |
| 時間が足りなかった? | □ |
| 勉強した範囲なのに解けなかった? | □ |
そして最後に、「次のテストまでに何を変える?」を1〜2個決めます。
例えば、
「数学は毎日2問、何も見ずに解く」
「英単語は日本語→英語のテストを毎日する」
「テスト1週間前に一度、本番形式で解く」といったことです。
「次は頑張る」ではなく、「次は何をするのか」まで決めることがポイントです。
8.勉強時間だけを目標にしない
高校生になると、「今日は3時間勉強した」「昨日は5時間勉強した」と、勉強時間を意識するようになります。
もちろん、勉強時間は大切です。
しかし、「長く勉強した=必ず成績が上がる」とは限りません。
例えば3時間ずっと教科書を読んでいた場合と、
・1時間、何も見ずに問題を解く
・間違いを分析する
・できなかったところをやり直す
・翌日にもう一度思い出す
という勉強をした場合とでは、学習の中身がまったく違います。
だから、「何時間勉強したか」だけでなく、「何ができるようになったか」を確認しましょう。
9.高校生のための「学習の質」チェック表
最後に、自分の勉強方法をチェックしてみましょう。
「授業は分かるのにテストで取れない」セルフチェック
- 教科書やノートを見る時間が長い
- 答えを見れば「分かった」と思う
- 同じ問題なら解ける
- 数字や条件が変わると解けない
- テスト直前にまとめて勉強する
- 間違えた問題を解き直していない
- なぜ間違えたのか考えていない
- 自分でミニテストをしたことがない
- 教科書を閉じると説明できない
- 勉強時間だけを気にしている
何個当てはまりましたか?
多く当てはまったとしても、落ち込む必要はありません。これは、「自分の勉強方法を変えるポイントが見つかった」ということです。
まとめ 「分かる」を「解ける」に変えよう
「授業は分かるのに、テストになると解けない」。
そんなとき、「自分は勉強ができない」「頭が悪い」と考えてしまう必要はありません。
もしかすると、「分かる」から「解ける」までの練習が不足しているだけかもしれません。
もう一度、学習の流れを確認してみましょう。
成績につながる学習サイクル
① 授業を聞く → ② 内容を理解する → ③ 何も見ずに思い出す → ④ 自力で問題を解く → ⑤ なぜその方法を使うのか説明する → ⑥ 少し違う問題に挑戦する → ⑦ 間違いを分析する → ⑧ 次の勉強方法を修正する
このサイクルを繰り返していきましょう。
文部科学省が重視する「主体的・対話的で深い学び」でも、学んだことを振り返り、次の学びにつなげることが重要とされています。
また、学習科学の研究では、「思い出す練習」と「時間を空けた復習」が、学んだ内容を長く保持するための有効な方法として挙げられています。
高校生になると、学習内容はどんどん難しくなります。
「授業を聞いて分かった」だけでなく、「自分で思い出せる」「自分で解ける」「初めて見る問題にも使える」というところまで学習を進めることが大切です。
そして、テストは単なる「点数をつけるもの」ではありません。
自分の勉強方法を見直すための材料でもあります。
「何ができなかった?」
「なぜできなかった?」
「次は何を変える?」と考えてみてください。
勉強時間をただ増やすのではなく、勉強の「やり方」を少しずつ改善していく。
その積み重ねが、「分かる」→「解ける」→「点数につながる」という変化を生み出します。
学習塾BONDSから高校生のみなさんへ
「勉強しているのに、テストの点数につながらない」。
そんなときは、勉強時間だけでなく、勉強のやり方を一度見直してみましょう。
「問題集では解けるのに、テストでは解けない」
「どこが分からないのか分からない」
「勉強方法を変えたいけれど、何をすればいいか分からない」という場合は、
まず自分の「できる」と「できない」を整理するところから始めてみてください。
学習塾BONDSでは、「分かる」だけで終わらせず、「自分で解ける」まで学ぶことを大切にしています。
一緒に、「分かる」から「解ける」へ。
そして、「解ける」から「点数につながる」勉強へ。
一歩ずつ学習方法を変えていきましょう。
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