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大学入試は「暗記」から「考える問題」へ?共通テストの変化と高校生の勉強法

勉強する高校生と「大学入試は暗記から考える問題へ?」の文字を配置した、共通テストの変化と高校生の勉強法を紹介する画像

「大学入試って、もう暗記だけじゃ通用しないの?」

「思考力が大事って聞くけど、結局なにをどう勉強すればいいの?」

高校生や保護者の方から、こうした疑問を聞くことがあります。

先にお伝えしておくと、大学入試で暗記が要らなくなったわけではありません。

英単語も数学の公式も歴史の用語も、今まで通り大切です。ただ、現在の大学入学共通テストでは、覚えた知識を理解したうえで、問題文や資料から必要な情報を読み取り、自分で考えて答えを出す力が重視されています。

言いかえると、問われているのは「どれだけ覚えたか」だけではなく、**「覚えたことをどれだけ使えるか」**です。

この記事では、文部科学省や大学入試センターの公式資料をもとに、大学入試で求められる力がどう変わってきたのか、そして高校生が今日から取り組める勉強法をまとめました。

後半では、保護者の方にできる家庭でのサポートについても紹介します。

1.大学入試は暗記だけでは通用しない?まず知っておきたい変化

「昔の入試は暗記中心で、今は思考力中心」

そんな説明を目にすることがあります。

しかし実際には、以前の大学入試にも、知識を応用したり筋道を立てて考えたりする問題は出題されていました。

ある年を境に、暗記問題が思考力問題へ一気に入れ替わったわけではありません。

とはいえ、現在の共通テストが、知識・技能の理解に加えて、それを使って考える力を重視する方針を明確に示しているのも事実です。

「知っている」と「使える」は別もの

数学の二次関数で考えてみましょう。

平方完成のやり方を覚えて基本問題が解けるようになるのは、もちろん大事な一歩です。

けれど、文章題で条件が複雑になってくると、何を求めればよいのかを整理できなければ、せっかく覚えた知識も十分に活かせません。

英語も同じです。

単語をたくさん覚えていても、長文の中から必要な情報を探したり、文章全体の流れをつかんだりできなければ、正解にたどり着けないことがあります。

両者の違いを整理すると、次のようになります。

比較するポイント暗記だけで終わる学習知識を活用する学習
学習の目標用語や公式を覚える覚えた知識を使って解く
問題への対応見慣れた形式なら解ける条件が変わっても考えられる
復習の仕方答えを覚え直す解き方や理由を確認する
理解の確認正解できたかを見るなぜ正解なのか説明する

知識を身につけることは、考える力を支える大切な土台です。

その知識を理解し、さまざまな問題で使えるようにすることが重要なのです。

2.なぜ大学入試では「考える力」が重視されるようになったのか

大学入試の変化を理解するうえで、押さえておきたいのが、文部科学省が示している「学力の3要素」です。

文部科学省が示す「学力の3要素」

① 知識・技能

学んだ内容を理解し、必要な知識や技能を身につけることです。

英単語や数学の公式、理科の法則などの習得がこれに当たります。

② 思考力・判断力・表現力

身につけた知識を使って考え、情報を判断し、自分の考えを表現する力です。

複数の資料を比較して結論を導いたり、数学の解き方を人に説明したりする場面がイメージしやすいでしょう。

③ 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

自分から課題に向き合い、考え方の異なる人とも協力しながら学んでいく姿勢です。

大学入試改革では、こうした学力を多面的・総合的に評価することが重視されてきました。

ただし、3つの要素がすべて同じ方法で評価されるわけではありません。評価方法は大学や選抜方式によって異なります。

高校と大学入試をつなぐ「高大接続改革」

文部科学省は、高校教育・大学教育・大学入学者選抜を一体的に見直す「高大接続改革」を進めてきました。

その背景には、知識を身につけるだけでなく、変化する社会の中で自ら課題を見つけ、考え、解決していく力を育てようという考え方があります。

大学入試センターも、共通テストの問題作成において、深い理解を伴う知識や、知識・技能を活用する思考力・判断力・表現力等を重視しています。

例えば、地理で人口の変化を示す統計資料が出てきたとしましょう。

「人口が増えている」と読み取るだけでなく、その背景にどのような産業や社会の変化があったのかを、授業で学んだ知識と結びつけて考えてみます。

その際、資料から直接分かる事実と、知識をもとに推測したことを区別するのも大切なポイントです。

こうした学び方は、入試のためだけのものではありません。社会に出てから情報を判断する場面でも役立ちます。

3.共通テストではどんな「考える問題」が出題される?

共通テストでは、教科・科目それぞれの特性に合わせて、知識を正しく理解しているか、それを活用できるかを問う問題が作成されています。

対策で特に意識しておきたいのは、次の3つです。

ただし、すべての問題が資料読解型に変わったわけではありません。

基礎知識を正しく理解しているかどうかも、引き続き重要です。

教科ごとに見る「考える力」の使いどころ

共通テスト対策にもつながる学習場面を、教科別に紹介します。

教科考える力を使う学習場面
国語複数の文章や資料を比較し、主張や根拠を整理する
数学条件を整理し、適切な公式や解法を選ぶ
英語文章や音声から目的に合う情報を読み取る
理科実験結果を分析し、法則や知識と結びつける
地理歴史・公民統計・地図・史料などを関連づけて考える
情報Ⅰデータを分析し、処理の仕組みや手順を理解する

※各教科の学習例であり、特定年度の共通テストの設問を示したものではありません。

情報Ⅰでも、カギは「仕組みの理解」

2025年度の大学入学共通テストから、新しい学習指導要領に対応した「情報Ⅰ」が出題されるようになりました。

情報Ⅰでは、情報の扱い方やデータの活用、プログラミングなどを学びます。

プログラムの問題なら、用語を覚えるだけでなく、処理がどのような順番で進むのかを自分で追いかける練習が役立ちます。

データを扱う問題でも、表やグラフの数値を読むだけでなく、どのような傾向があり、何が判断できるのかまで考えるようにしましょう。

考える問題を解く4つのステップ

問題に取り組むときは、次の流れを意識してみてください。

  1. 知識を確認する:必要な公式や用語、基本的な考え方を思い出す。
  2. 情報を読み取る:問題文や資料から、条件や必要な情報を整理する。
  3. 知識を使って考える:読み取った情報と学んだ知識を結びつけ、解き方を決める。
  4. 答えと根拠を確かめる:答えが条件に合っているか、理由を説明できるかを確認する。

この4ステップは、入試問題に限った話ではありません。

学校のワークや定期テストの問題でも練習できます。

考える力を伸ばす第一歩は、普段の問題を「なんとなく」解くのをやめることです。

4.一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜では何が違う?

大学入試には、主に一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜の3つがあります。

評価の方法はそれぞれ異なりますが、大学で学ぶために必要な学力が求められる点は共通しています。

入試方式主な特徴準備のポイント
一般選抜共通テストや大学独自の学力検査などを活用志望校の科目・配点に合わせた学力対策
総合型選抜大学が求める学生像との適合性などを多面的に評価学力、志望理由、必要な書類や面接等の対策
学校推薦型選抜学校長の推薦に基づき、大学が定める方法で評価学校での学習、推薦要件、必要な検査等への準備

※具体的な評価方法や出願条件は、大学・学部・選抜方式によって異なります。

総合型選抜や学校推薦型選抜でも学力は欠かせない

「総合型選抜なら学力試験がないから、勉強はそこそこでいい」

そう考えているなら、注意が必要です。

総合型選抜や学校推薦型選抜でも、大学で学ぶために必要な学力を評価する仕組みが設けられています。

大学によっては共通テストの成績を利用したり、小論文や口頭試問を課したりすることもあります。

また、志望理由を説明するときにも、興味のある分野について自分で調べ、考えを整理して伝える力が必要です。

学校推薦型選抜であれば、大学が定める出願要件を満たしているかどうかも重要になります。

志望大学の募集要項は早めに確認しよう

同じ大学でも、学部や選抜方式が違えば、必要な科目や評価方法が変わることがあります。

愛媛県内の大学を考えている人も、大学名だけで判断せず、希望する学部・学科の情報まで確認しておきましょう。

高校2年生のうちに志望大学の入試科目や選抜方式を調べておくと、そこから逆算して学習計画を立てやすくなります。

出願資格、必要科目、配点、提出書類などは、必ず対象年度の最新の学生募集要項で確認してください。

5.暗記だけで終わらせない!今日からできる5つの勉強法

「考える力が大切なのは分かった。では、具体的に何をすればいいの?」

そう思った高校生もいるでしょう。

考える力を伸ばすために、特別な教材が必ずしも必要なわけではありません。

いつもの勉強に、次の5つの工夫を取り入れてみてください。

① 覚えたことを自分の言葉で説明してみる

公式や用語を覚えたら、「なぜそうなるのか」「どんな場面で使うのか」を口に出して説明してみましょう。

数学なら、その公式を使える条件や、公式が成り立つ理由を確認します。

英語なら、文法のルールを覚えるだけでなく、自分で例文を作ってみるのもおすすめです。

説明しようとして言葉に詰まったところは、まだ理解があいまいな可能性があります。

そこを教科書に戻って確認すると、理解を深められます。

② 正解した問題こそ「なぜ?」を確かめる

問題集で丸がつくと、つい次の問題へ進みたくなります。

しかし、その中には、たまたま当たった問題や、以前解いた答えを覚えていただけの問題が混ざっているかもしれません。

選択問題なら「なぜこの選択肢が正しいのか」「ほかの選択肢はどこが違うのか」を考えましょう。

数学なら、途中式やその解法を選んだ理由を見直してみます。

正解したかどうかだけでなく、根拠を持って答えられたかどうかを大切にしてください。

③ 初めて見る問題にも挑戦する

同じ問題を繰り返し解くことは、基礎を固めるうえで役立ちます。

ただし、答えを覚えてしまうと、条件が少し変わっただけで手が止まることもあります。

基本問題が解けるようになったら、数字や条件を変えた類題にも挑戦してみましょう。

いきなり難問に取り組む必要はありません。

まずは基本問題を確実に解けるようにして、そこから少しずつ応用へ進んでいくことが大切です。

④ 資料やグラフを読み取る練習をする

資料を読み取る力は、地理歴史・公民や理科だけでなく、数学や情報Ⅰでも役立ちます。

グラフを見るときは、次の点を確認しましょう。

例えば、人口の推移を示すグラフなら、数値の変化を説明するだけでなく、その背景として考えられることも整理してみます。

ただし、グラフだけでは原因まで断定できない場合もあります。

資料が示している事実と、自分の考察を分けて考えるようにしましょう。

⑤ 間違えた原因を分析してから解き直す

間違えた問題を、解答を書き写して終わりにしていませんか。

解説を読んで分かったつもりになっても、もう一度自分で解けるとは限りません。

まずは、なぜ間違えたのかを確認しましょう。

間違えた原因改善方法
知識不足教科書に戻り、基本事項を確認する
理解不足公式や考え方の意味を確認する
読み違い問題文の条件や問いに印をつける
解法の選択ミス類題と比較し、解き方を整理する
計算・記入ミス途中式や見直しの手順を確認する

原因が分かったら、解説を閉じて、もう一度自力で解いてみてください。

学習塾BONDSでは、「分かる → 解く → できる」という流れを大切にしています。

授業を聞いて理解することは重要ですが、そこで止まらずに自分の力で問題を解き、できなかったところを確かめることが必要です。

この積み重ねが、知識を実際の問題で使える力へと変えていきます。

5つの勉強法をおさらい

見直したい勉強法おすすめの勉強法
公式を丸暗記して終わる公式の意味や使う条件を確認する
正解したら次へ進む正解の根拠まで確かめる
同じ問題だけを繰り返す基礎が定着したら類題に挑戦する
グラフの数値だけを見る変化や特徴を言葉で説明する
間違えた答えを写す原因を分析して自力で解き直す


全部を一度に変えようとしなくても大丈夫です。

まずは一つだけ、今の勉強に取り入れてみてください。

6.高校1年生・2年生・3年生はどう準備する?保護者にできること

大学入試の準備は、高校3年生になってから始めるものではありません。

高校1年生からの学習習慣や、積み上げてきた基礎知識が、受験勉強の土台になります。

ただし、学年によって力を入れたいポイントは変わってきます。

高校1年生|まずは基礎を確実に

高校1年生で大切なのは、学校の授業をしっかり理解して基礎を固めることです。

特に英語や数学のように、前の単元の理解が次の単元につながる教科では、分からないところを残さないようにしましょう。

定期テストの勉強でも、答えを覚えるだけでなく、解き方や理由まで説明できるようにしておくことが大切です。

高1の目標:基礎知識を理解し、自分で使えるようにすること。

高校2年生|応用力を伸ばしながら進路を具体化する

高校2年生では、苦手分野の復習を進めつつ、初めて見る問題に取り組む機会を増やしていきましょう。

模試で間違えた問題を分析して、どの分野の理解が不足しているのかを確かめることも大切です。

あわせて、興味のある大学や学部について調べ、必要な入試科目を把握しておきましょう。

まだ志望校が決まっていなくても、「どんな学問を学んでみたいか」を考えるところから始められます。

高2の目標:苦手分野を減らし、希望する進路に合わせた準備を始めること。

高校3年生|志望校に合わせて実践力を磨く

高校3年生になったら、志望大学の入試科目や出題傾向に合わせた学習が必要になります。

共通テストを利用するなら、時間を意識した演習や、問題文・資料を正確に読み取る練習も重要です。

過去問を解いたら、点数だけを見て終わりにせず、間違えた原因や時間配分まで振り返りましょう。

大学独自の学力検査や小論文、面接などがある場合は、そちらの対策も計画的に進めていきます。

高3の目標:身につけた知識を、本番の入試問題で使える力に仕上げること。

学年別の準備をまとめると

学年優先したい学習保護者のサポート
高1授業内容の理解、英語・数学などの基礎固め点数だけでなく、理解できた内容に目を向ける
高2苦手分野の克服、応用演習、志望校調査興味のある進路について話し合う
高3過去問演習、時間配分、志望校別対策学習計画や生活リズムを支える

保護者の方へ|「結果」だけでなく「考え方」にも目を向けて

入試が近づくと、模試の判定や点数が気になるのは自然なことです。

成績を確認すること自体は大切ですが、それに加えて、お子さまがどのように考えて問題に取り組んだのかにも目を向けてみてください。

例えば、次のような声かけが考えられます。

点数だけに注目した声かけ学びを支える声かけ
「どうしてこんな点数なの?」「どの問題が難しかった?」
「もっと暗記しなさい」「覚えたことを問題で使えている?」
「また同じ間違いをしたの?」「今回はどこで間違えたか分かった?」
「もっと勉強しなさい」「次はどこから取り組んでみる?」

保護者の方が答えを教えたり、勉強のやり方をすべて決めたりする必要はありません。

お子さま自身が学習を振り返り、次に何をすればよいか考えられるように、後押しすることが大切です。

高校生になると、自分なりの考えや進路への希望も生まれてきます。

必要以上に口を出しすぎず、困ったときに相談できる関係をつくっておくことも、大きな支えになるでしょう。

7.まとめ|暗記を土台に「自分で考えて解く力」を育てよう

現在の大学入試では、基礎知識を身につけることに加えて、その知識を使って考え、判断し、答えを導く力が重視されています。

だからといって、暗記が不要になったわけではありません。

英単語、数学の公式、歴史の出来事、理科の法則など、基礎知識がなければ、問題について深く考えることも難しくなります。

大切なのは、**「覚える → 理解する → 使う → 説明する → 振り返る」**という学習の流れです。

これは受験用の特別な問題集だけで身につけるものではありません。

毎日の授業や学校のワーク、定期テストの解き直しでも練習できます。

高校1・2年生のみなさんも、受験学年になる前から少しずつ準備を始めておきましょう。

まずは今日、解いた問題を一つ選んで、「なぜその答えになるのか」を自分の言葉で説明してみてください。

そんな小さな積み重ねが、初めて見る問題にも自分の頭で向き合える力につながっていきます。


参考資料・出典

本記事では、以下の公的機関の一次資料を参考にしています。

文部科学省

独立行政法人 大学入試センター

※大学入試の科目、配点、評価方法、出願条件は、大学・学部・選抜方式・年度によって異なります。出願の際は、必ず志望大学が公表する対象年度の最新の学生募集要項をご確認ください。

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