GIGAスクール第2期で学校のタブレットはどう変わる?費用・学力・「情報Ⅰ」まで保護者向けに解説

「学校のタブレット、今度新しくなるらしいよ」。お子さんからそんな話を聞いて、「費用はどうなるの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。

全国の小中学校で導入された「1人1台端末」は、いま「GIGAスクール第2期」として更新の時期を迎えています。今治市でも、第1期に導入した端末を入れ替える計画が進んでいます。

保護者の方からよくいただくのは、こんな声です。

  • 新しい端末の費用は、家庭で払うの?
  • 毎日タブレットを使って、学力は大丈夫?
  • 高校や大学入試とは関係あるの?

結論から言うと、第2期で問われているのは「古いタブレットを新しくすること」よりも、「その端末で何を調べ、どう考え、どう表現するか」ということです。

この記事では、文部科学省や国立教育政策研究所、大学入試センター、今治市などの公表資料をもとに、第2期で変わること、費用の考え方、学力や入試との関係、そしてご家庭でできることを順にお伝えします。

なお、費用の話は主に公立の小学校・中学校の制度を取り上げています。高校は仕組みが異なるため、第2章で別に触れます。

1. GIGAスクール第2期とは?何が変わるの?

GIGAスクール構想は、2019年12月に国が打ち出した教育ICTの政策です。その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて計画が前倒しされ、全国の小中学校で一気に1人1台の端末が整いました。これが「第1期」です。

ただ、タブレットもパソコンも、毎日使えば傷んでいきます。バッテリーの持ちが悪くなる、故障が増える、OSやアプリの更新についていけなくなる、新しい学習サービスがすんなり動かない——そんな問題が数年で出てきます。

そこで国は、最初に整備した端末を計画的に入れ替え、1人1台の環境を維持していく仕組みを作りました。これが「第2期」です。第1期が「端末をそろえる段階」だとすれば、第2期は「更新しながら、学びに生かしていく段階」と言えるでしょう。

テストも「紙」から「端末」へ

子どもたちにとって大きいのは、端末が新しくなること以上に、端末を使う場面そのものが増えていることです。

分かりやすいのが、小学六年生と中学三年生が受ける「全国学力・学習状況調査」です。令和7年度(2025年度)には中学校理科が、令和8年度(2026年度)には中学校英語が、コンピューターで解答するCBT方式で実施されました。文部科学省は、令和9年度以降もCBTでの実施を広げていく方針です。

端末で解くテストでは、動画やカラー画像を使った問題が出たり、答えをキーボードで入力したりします。端末に慣れているかどうかが、そのまま「自分の力を出し切れるか」に関わってくるわけです。端末操作は、もう単なる「パソコンの練習」ではなくなってきています。

「GIGAスクールだけでなく、AIやICTによって教育全体がどう変わっているのか知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。」
→ 「2026年、日本の教育はどう変わる?AI時代に必要な学力とは」

2. 端末更新の費用は家庭で払うの?

保護者の方がいちばん気になるのは、やはりここだと思います。

公立小中学校の端末については、国が更新費用を支援する仕組みがあります。主な内容は次のとおりです。

項目国の支援内容
補助基準額1台あたり5.5万円
補助率3分の2
予備機15%以内も補助対象
調達都道府県を中心とした共同調達など

つまり、公立小中学校の端末は、各家庭が端末代を全額支払うことを前提にした制度ではありません。国の補助と自治体の負担で整える仕組みです。

なぜ予備機まで用意するの?

毎日の授業で使うようになると、「タブレットが壊れたので、しばらく授業で使えない」という状態は、そのまま学習の遅れにつながります。だからこそ、壊れてもすぐ別の端末に切り替えられるよう、一定数の予備機を確保することが重視されています。

「1人1台をそろえる」から一歩進んで、「故障しても学びを止めない」ところまで考えるようになった。ここにも第2期らしさが表れています。

家庭の負担になるかもしれないもの

端末本体は公費でも、次のようなものは自治体や学校によって扱いが変わります。

  • ケースやタッチペンなどの付属品
  • わざと壊した場合や、大きな不注意で壊した場合の修理費
  • 家で使うときのWi-Fi環境

詳しいことは、学校や自治体からの案内で確かめてください。

高校の端末は仕組みが別

ここで気をつけたいのが高校です。上で紹介したのは公立小中学校向けの制度で、高校の端末は同じ仕組みではありません。都道府県や学校によって、学校が用意するところもあれば、指定された端末を家庭で購入するところもあります。

中学生のお子さんがいるご家庭は、志望校の端末の扱いも、入学案内や合格者説明会で確認しておくと安心です。

資料:文部科学省「GIGAスクール構想の実現」関連資料(補助基準額5.5万円、補助率3分の2、予備機15%以内)

3. タブレットを毎日使って、学力は大丈夫?

「タブレットばかり使っていて、学力が下がらないか心配」という声もよく耳にします。先にお伝えしておくと、タブレットを使えば自動的に成績が上がるわけではありません。逆に、使うだけで学力が下がるわけでもありません。分かれ目になるのは、何のために、どう使うかです。

学校では、もう「いつもの道具」

令和7年度の全国学力・学習状況調査では、授業でICT機器を「ほぼ毎日」または「週3回以上」使っていると答えた学校が、小学校96.5%、中学校94.3%でした。端末は、一部の学校だけが使う特別な道具ではなくなっています。

同じ調査では、ICTを使うことに自信がある児童生徒ほど、各教科の正答率やスコアが高く、探究的な学びにも取り組んでいる傾向が見られました。

ただし、これを「たくさん使えば成績が上がる」と読むのは早とちりです。調査で分かるのは、あくまで「関連」や「傾向」。学力には、家庭の環境や学校の指導、本人の学習習慣など、さまざまなことが関わっています。


大切なのは、「調べる→比べる→考える→まとめる→伝える」という学習の流れの中で、ICTを道具として使えているかどうかです。

日本の学力は世界トップクラス

15歳を対象にした国際調査PISA2022で、日本は次のような結果でした。

分野OECD加盟37か国中全参加国・地域中
数学的リテラシー1位5位
読解力2位3位
科学的リテラシー1位2位

日本の生徒の学力は、世界的に見ても高い水準にあります。一方で同じ調査からは、日本の学校でのデジタル機器の活用に、OECD平均と比べて課題があることも見えてきました。

ですから、これから考えたいのは「端末を使うか、使わないか」ではありません。今の学力を大切にしながら、デジタルの中でも考えられる力をどう育てるか、だと思います。

資料:文部科学省・国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022」

4. 小中学校のICT学習は、高校・大学入試にどうつながる?

当然ながら、「タブレットを使った回数」が入試で評価されるわけではありません。将来につながるのは、端末を使いながら身につける「情報活用能力」のほうです。

たとえば、必要な情報を探す。いくつかの情報を比べる。表やグラフから特徴を読み取る。調べたことを整理して、自分の考えを文章や資料にまとめる。その情報が正しいか確かめる。どれも、高校に入って急に身につくものではなく、小学校・中学校から少しずつ積み重ねていく力です。

その先にある科目の一つが、高校の「情報Ⅰ」です。

大学入学共通テストの「情報Ⅰ」

情報Ⅰは2022年度から高校で必修となり、大学入学共通テストでは令和7年度(2025年1月実施)から出題されています。大学入試センターによると、これまでの結果は次のとおりです。

試験受験者数平均点
令和8年度305,202人56.59点
令和7年度279,718人69.26点

2年目は受験者が約2万5千人増え、平均点も大きく変わりました。ただし、ここから「情報Ⅰは難しくなり続ける」と判断することはできません。問題の難しさは年度によって変わるので、平均点の上下だけで科目を評価しないほうがよいでしょう。

「情報Ⅰ」はパソコン操作の試験ではない

ここは、保護者の方にぜひ知っておいていただきたいところです。共通テストの情報Ⅰは、紙の問題冊子を使うマーク式の試験です。「タイピングが速いから点が取れる」という試験ではありません。

問われるのは、プログラミング的な考え方やデータの活用、情報社会、情報セキュリティなどについて、資料を読み、整理し、考えて答える力です。小中学校で大切なのも、端末の操作そのものより、端末を使いながら情報を読み取り、自分で考える経験を重ねることだと言えます。

段階主に身につけること
小学校検索、文字入力、調べたことをまとめる
中学校複数の資料の比較、グラフの読み取り、レポート作成
高校情報Ⅰ、プログラミング、データ活用
大学入試・その先情報を読み取り、判断し、活用する

資料:大学入試センター「共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)」

5. 今治市のGIGAスクール第2期はどうなっている?

ここからは、私たちBONDSがある今治市の様子を見てみましょう。

今治市では、愛媛県GIGAスクール端末等共同調達協議会による共同調達を経て端末が納品され、令和3年(2021年)3月には校内LANの整備も完了しました。それ以来、学校では1人1台の端末を使う環境が続いています。

9,785台を更新する計画

今治市教育委員会が令和7年3月に公表した「学校ICT関連の今後の計画」では、第1期に整備したタブレットについて、令和7年度に9,785台を購入(更新)する計画が示されています。調達には、愛媛県による共同調達を利用します。

同じ計画では、令和8年度に旧今治市内の小中学校の通信回線を1Gから10Gのベストエフォート回線に改善することも予定されています。端末だけ新しくしても、回線が遅ければ授業で十分に活用できません。第2期では、端末とネットワークをセットで整えていくことが大切になっています。

資料:今治市教育委員会「令和7年3月 定例教育委員会資料」

「デジタルとアナログのベストミックス」

注目したいのは、今治市がすべてをデジタルに置き換えようとしているわけではないことです。計画には、電子黒板やタブレットなどのICT機器と、これまでのアナログな学習手段を組み合わせる「ベストミックス」という考え方が示されています。これは、ご家庭での学習を考えるうえでも参考になる視点です。

端末の持ち帰り方や、故障したときの対応、付属品の扱いなどは、学校や時期によって異なることがあります。具体的なルールは、学校や今治市からの最新の案内をご確認ください。

愛媛県全体のICT・AI教育について詳しく知りたい方へ、
→ 「2026年、愛媛県の教育はどう変わる?」

6. 家庭でできる3つの準備

では、ご家庭では何をすればよいのでしょうか。高価なパソコンや特別な教材を急いでそろえる必要はありません。いつものデジタル機器の使い方を少し変えるだけでも、十分な練習になります。

①「見る」だけで終わらせず、「調べて考える」へ

スマートフォンやタブレットで動画を見ること自体が悪いわけではありません。ただ、学習につなげたいなら、「見るだけ」から「調べる→比べる→考える→まとめる」へ一歩進めてみましょう。題材は身近なもので構いません。

  • 今治市の人口が10年前からどう変わったか調べる
  • しまなみ海道を自転車で走ると、何時間くらいかかるか考える
  • 学校で習った歴史上の人物を、2つ以上のサイトで調べる
  • 同じニュースを、いくつかのサイトで読み比べる

そして最後に、「分かったことを3行でまとめてみよう」と声をかけてみてください。検索した情報を自分の言葉に置き換えるだけで、「調べただけ」で終わらない学習になります。

②キーボード入力とデータの読み取りに慣れる

全国学力調査でもCBT化が進んでいます。答えが分かっていても、入力に手間取ると十分に書ききれないことがあります。とはいえ、小学生のうちから速さばかりを求める必要はありません。

段階家庭でできること
小学校低学年家族と一緒に検索し、「何を調べたいか」を言葉にする
小学校中・高学年ローマ字入力で、短い文章を正確に入力する
中学生表やグラフから何が分かるかを説明する。簡単な表やグラフも作ってみる

中でも大切なのが、「このグラフから何が言える?」と考える習慣です。数学や理科、社会はもちろん、高校の情報Ⅰにもつながっていきます。

③紙とデジタルを目的に応じて使い分ける

デジタルが便利だからといって、何もかもタブレットで済ませる必要はありません。

デジタルが向いていること紙が向いていること
調べる計算の途中を書く
動画で確かめる漢字や英単語を書いて覚える
問題を繰り返し解く数学の図をかく
グラフやデータを見る記述問題の答えを考える
資料を共有する考えた過程を残す

大切なのは、「デジタルか紙か」を決めることではなく、「今の勉強にはどちらが合うか」を子ども自身が判断できるようになることです。

生成AIとの付き合い方も考えておきたい

これからは、タブレットだけでなく生成AIとの付き合い方も大切になります。AIに質問すると、もっともらしい答えがすぐに返ってきます。でも、その答えがいつも正しいとは限りません。

ご家庭で使うときは、「その答え、本当かな?」「別の資料でも確かめてみよう」「なぜそうなるのか、自分の言葉で説明できる?」といった声かけが役に立ちます。AIに答えを出してもらうことより、AIの答えを材料にして、自分で確かめて考えることのほうが大切です。

なお、学校の宿題などで生成AIを使ってよいかどうかは、学校や先生のルールに従いましょう。

「AI時代に、なぜ基礎学力や自分で考える力が必要なのかについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。」
→ 「なぜ勉強するの? AI時代に必要な『考える力』の話」

7. 学習塾BONDSで大切にしていること

BONDSでも、デジタルと紙の両方を生かした学習を大切にしています。ICT教材「My eトレ」などを使い、一人ひとりの理解度に合わせて問題に取り組んでもらっています。

ただし、デジタル教材でたくさん問題を解いて終わり、というわけではありません。間違えた問題は、「なぜ間違えたのか」「どこまでは分かっていたのか」「次はどう考えればいいのか」を一緒に確かめます。必要なら紙に書いて解き直し、分からないところは先生に質問します。

BONDSが目指しているのは、「分かる→自分で解く→できるようになる」という経験を繰り返しながら、少しずつ自分で学習を進められる力を育てることです。新しいデジタル教材やAIが登場しても、この基本は変わらないと考えています。

「BONDSでのMy eトレを使った『デジタル×紙』の学習についてはこちら」

8. まとめ:道具が新しくなっても、学習の基本は変わらない

GIGAスクール第2期では、全国で1人1台端末の更新が進んでいます。公立小中学校では国と自治体が更新を支え、今治市でも第1期の端末を新しくするため、9,785台を購入(更新)する計画が示されています。全国学力調査のCBT化も進み、高校では情報Ⅰが必修になって共通テストにも導入されました。学校の学びとデジタルは、もう切り離せないものになっています。

それでも、いちばん大切なのは「端末を使えること」そのものではありません。この情報は本当に正しいのか。なぜこの答えになるのか。いくつかの資料から何が分かるのか。自分はどう考えるのか。分からないのはどこなのか。こうしたことを自分で考えられる力こそが、これから求められていきます。

デジタルで調べ、紙に書いて考える。分からなければ質問して、最後は自分の言葉で説明する。新しい道具を上手に使いながらこの基本を大切にしていくことが、これからの時代の「自立した学習力」につながっていくはずです。

学習塾BONDSでは、お子さん一人ひとりの学習状況に合わせた学習相談や体験授業を行っています。学校の勉強や定期テスト、高校受験などで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

参考資料・出典

文部科学省「GIGAスクール構想の実現」関連資料
GIGAスクール第2期の端末更新、補助基準額5.5万円、補助率3分の2、予備機15%以内などを参照。

文部科学省「今後の全国学力・学習状況調査のCBTでの実施について(令和8年6月改定)
全国学力・学習状況調査のCBT化について参照。

文部科学省「令和8年度 全国学力・学習状況調査」
ICT機器の学校での活用状況などを参照。

文部科学省・国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022」
2022年調査、日本の15歳の学力およびICT活用状況などを参照。

大学入試センター「共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)」
令和7年度・令和8年度「情報Ⅰ」の受験者数・平均点を参照。

今治市「GIGAスクール構想について」
今治市における1人1台端末、校内LAN整備について参照。

今治市教育委員会「令和7年3月 定例教育委員会資料」
GIGA第2期の端末9,785台の更新、愛媛県共同調達、通信環境改善計画などを参照。

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