高校生は1日何時間勉強すればいい?時間より大切な「勉強の質」の話

「高校生になったら、毎日どのくらい勉強すればいいんだろう」

「部活動があるから、平日は1時間くらいしか勉強できない」

「テスト前はかなり頑張っているのに、思うように点数が上がらない」

高校生本人だけでなく、保護者の方からも、こうした「勉強時間」についての悩みを聞くことがあります。

これから高校へ進学する中学生の中にも、「高校に入ったら、今よりどのくらい勉強しないといけないの?」と気になっている人がいるのではないでしょうか。

最初に結論からお伝えすると、

「高校生なら1日○時間勉強すればよい」という、全員に共通する正解はありません。

必要な勉強時間は、

現在の学力 × 目標 × 学年・時期 × 勉強の質

によって変わるからです。

もちろん、ある程度の勉強時間を確保することは必要です。

しかし、2時間机に向かっていても、ほとんど問題を解いていなければ十分な学習とは言えません。一方、90分でも集中して問題を解き、間違いを直し、もう一度解き直していれば、内容の濃い勉強になります。

この記事では「何時間勉強すればいいのか」だけでなく、限られた時間をどう使えば「できる」に変えられるのかという視点から、高校生の勉強時間について考えていきます。


1.高校生は1日何時間勉強すればいい?

「高校生 勉強時間」と検索すると、「高1なら○時間」「受験生なら○時間」といった数字がたくさん出てきます。

目安として気になるのは当然です。

しかし、高校生全員に当てはまる勉強時間を、一つの数字で示すことはできません。

たとえば、高校1年生と大学受験直前の高校3年生では、必要な学習量が大きく違います。

同じ高校2年生でも、

  • 学校の授業をしっかり理解したい
  • 定期テストで上位を目指したい
  • 苦手科目を克服したい
  • 大学受験を意識して受験勉強を始めたい

といった目標によって、必要な勉強内容は変わります。

現在の学力によっても違います。

数学が得意な生徒なら30分で終わる復習に、苦手な生徒なら1時間以上必要になることもあるでしょう。

ですから、

「高校生だから毎日2時間」

と時間から決めるのではなく、

①現在の学力
②目標
③学年・時期
④勉強の質

という4つから、自分に必要な学習を考えることが大切です。


2.「○時間勉強すれば大丈夫」とは言い切れない理由

勉強時間を記録すること自体は悪いことではありません。

「昨日は30分しかできなかったから、今日は1時間やろう」

というように、学習習慣をつくるきっかけになります。

ただし、一つ注意したいことがあります。

それは、

「勉強時間=勉強の成果」ではない

ということです。

同じように勉強しても「中身」が違う

たとえば、AさんとBさんがいたとします。

Aさん

2時間机に向かいました。

しかし、途中で何度もスマートフォンを確認し、分からない問題が出てくると、すぐに答えを見ながら進めました。

Bさん

勉強時間は90分でした。

数学の問題をまず自力で解き、間違えた問題は解説を確認。そして最後に、何も見ずにもう一度解き直しました。

時間だけなら、

Aさん:120分
Bさん:90分

です。

しかし、これだけを見て「Aさんの方がよく勉強した」とは言えません。

Bさんは90分の中で、

解く → 間違える → 原因を確認する → 解き直す

という学習をしています。

重要なのは、机に座っていた時間だけではありません。

その時間に何をして、何ができるようになったのか。

ここまで確認することが大切です。


3.中学生から高校生になると、勉強はどう変わる?

これから高校へ進学する中学生には、高校での勉強が中学校とどう変わるのかも知っておいてほしいと思います。

大きな違いの一つが、学習する量と範囲が増えることです。

中学生高校生
学習範囲が比較的限定されている学習範囲が大きく広がる
定期テストを中心に勉強することも多い日々の積み重ねがより重要になる
分からない単元まで戻りやすい前に学んだ内容を前提に授業が進むことが多い
学校の授業+家庭学習予習・復習・演習を自分で管理する力がより重要

特に数学と英語は、日々の積み重ねが大切な科目です。

数学は「前に習ったこと」が次の土台になる

高校数学では、それまでに習った内容を使って新しい問題を考える場面が増えていきます。

計算や方程式などの基本が十分に身についていない状態で次へ進むと、新しい単元だけを勉強しても理解しにくくなることがあります。

そのため、

「テスト前になったらまとめて勉強する」

より、

「分からないところを早めに見つけて戻る」

ことが重要です。

英語も「ためない」ことが大切

英語も同じです。

単語・文法・英文読解は、それぞれ別々のものではありません。

単語が分からなければ英文を読むのに時間がかかり、基本的な文法があやふやなら文章の構造を正確につかみにくくなります。

高校に入ってから意識してほしいのは、

分からなくなってから一気に取り戻そうとするのではなく、分からないところをためないこと。

だからこそ、毎日の短い復習が重要になります。


4.高校生は「勉強時間」だけでなく「勉強の質」を意識しよう

では、「質の高い勉強」とは、どのような勉強でしょうか。

難しい参考書を使ったり、特別な勉強法を取り入れたりすることだけが「質の高い勉強」ではありません。

学習塾BONDSでは、次のような流れを大切にしています。

①分かる
↓
②思い出す
↓
③自分で解く
↓
④間違いを直す
↓
⑤もう一度解く

「分かった」と「自分で解ける」は違う

授業を聞いた直後、

「分かった!」

と思ったのに、翌日一人で問題を解いてみると、

「どうやるんだったかな?」

となった経験はないでしょうか。

これは珍しいことではありません。

先生の説明を聞いて理解できることと、何も見ずに自分で解けることは違うからです。

そこで必要になるのが、「思い出す」「自分で解く」学習です。

英単語なら、単語帳を眺めるだけではなく、意味を隠して答えてみる。

数学なら、解説を読んで「分かった」で終わらず、解説を閉じて同じ問題をもう一度解く。

社会なら、教科書を読むだけでなく、

「なぜこの出来事が起こったのか?」

と自分に問いかけ、説明してみる。

このように、

見る → 思い出す → 解く → できる

へ勉強を変えていくことが大切です。

大学入学共通テストでも、身につけた知識・技能を活用しながら、資料や文章などを読み取り、考えることが求められています。

覚える時間だけでなく、覚えたことを使う時間も確保していきましょう。


5.では、実際に1日どのくらい勉強すればいい?

ここまで読んで、

「時間だけではないのは分かった。でも、やっぱり目安は知りたい」

と思った人もいるでしょう。

今回確認した公的資料では、最新の高校生について、

「高校1年生は平均○時間、高校2年生は○時間、高校3年生は○時間」

と一律に示せる一次情報は確認できませんでした。

そこで、ここでは全国平均ではなく、学習塾BONDSが考える学習設計のモデルケースとして紹介します。

状況学習時間の考え方重視したいこと
高1・高2の通常期まず毎日の学習時間を固定する授業の復習・学校課題・苦手対策
定期テスト2週間前通常期より学習量を増やす学校ワーク→間違い直し→弱点演習
高3受験期志望校と現在の学力から逆算科目ごとの優先順位
部活動が忙しい日短時間でも学習を続ける英単語・復習・暗記など
休日平日にできない学習を補う長めの問題演習・1週間の復習

高1・高2の通常期|まずは「毎日やる」

高校1・2年生なら、最初から「毎日3時間」のような大きな目標を設定するより、

毎日勉強する習慣をつくること

から始めてみましょう。

たとえば、

平日はまず1時間程度の家庭学習時間を確保する

ところから始め、学校の課題や目標に合わせて増やしていく方法があります。

ここで示している「1時間」は全国平均ではありません。あくまで、勉強習慣をつくるための一例です。

そして大切なのは、

1時間机に座ること

ではなく、

その1時間で何をするのか

を先に決めることです。

定期テスト2週間前|時間とともに「弱点対策」を増やす

定期テストが近づいたら、通常期より学習時間を増やしていきます。

ただし、

「今日は3時間勉強する」

だけではなく、

学校ワークを解く
↓
できる・できないを分ける
↓
間違いの原因を確認する
↓
もう一度解く

という順番を意識しましょう。

テスト直前ほど、すでにできる問題を何度も繰り返すより、

「できない」を「できる」に変える時間

を増やすことが重要です。

高3受験期|「時間」ではなく「入試から逆算」

高校3年生では、一律に「毎日○時間」と決めることがさらに難しくなります。

志望大学、受験科目、現在の学力、共通テストや個別試験までの残り期間によって必要な勉強量が違うからです。

まず考えたいのは、

「入試までに何ができるようになっている必要があるのか」

です。

そこから、

「数学のこの単元をいつまでに仕上げる」

「英単語をいつまでに一通り覚える」

と具体化し、必要な勉強時間を逆算していきます。


6.忙しい高校生が勉強時間をつくる5つの方法

高校生活には授業だけでなく、部活動、学校行事、通学などがあります。

「勉強した方がいいのは分かっているけれど、時間がない」

という人も多いでしょう。

そんなときは、まとまった2時間、3時間を探すのではなく、短い時間を組み合わせる方法があります。

①勉強を「始める時刻」を決める

「帰ったら勉強しよう」では、開始時刻が曖昧です。

たとえば、

20時30分になったら机に向かう

と決めてみます。

「何時間やるか」だけでなく、「何時から始めるか」を固定するのがポイントです。

②15~30分のすき間時間を使う

勉強は1時間単位で行う必要はありません。

たとえば、

朝15分:英単語
学校のすき間時間20分:前日の復習
帰宅後90分:数学・英語・学校課題

なら、

15分+20分+90分=125分

です。

「2時間空いている時間はない」と考えるのではなく、

「15分ならどこにある?」

と考えてみましょう。

③スマートフォンを勉強場所から離す

スマートフォンが机の上にあると、通知が気になったり、

「少しだけ」

と思ってSNSや動画を見たりすることがあります。

勉強中は別の場所に置くなど、集中力に頼るのではなく、集中しやすい環境をつくることも大切です。

④勉強する内容を先に決める

机に座ってから、

「今日は何をしよう?」

と考えていると、それだけで時間が過ぎてしまいます。

たとえば、

数学:問題集5問
英語:単語50語
学校課題:○ページまで

のように、勉強する内容を具体的に決めてから始めます。

「英語を1時間」のように時間だけで決めるより、

「英単語50語を確認する」

と内容まで決める方が、ゴールが分かりやすくなります。

⑤休日だけに頼らない

「平日は忙しいから、全部土日にやろう」

とすると、休日の負担が大きくなります。

英単語や数学の復習などは、短時間でも平日に続けておきましょう。

平日=短時間でも継続
休日=まとまった時間で演習・復習

というように役割を分けると、学習計画を立てやすくなります。


7.今治市の高校生にも大切にしてほしい「学習を止めない」という考え方

高校生活では、授業や学校課題だけでなく、部活動や学校行事などもあります。

毎日同じように2時間、3時間と勉強できるとは限りません。

だからこそ大切にしてほしいのが、

「毎日完璧にやる」より「学習を止めない」

という考え方です。

たとえば、部活動で疲れて帰ってきた日。

「今日は疲れたから0分」

ではなく、

「今日は英単語だけ15分やろう」

でも構いません。

余裕のある日に、数学の問題演習など時間の必要な学習を増やせばいいのです。

大切なのは、

できる日に100点を目指して、できない日は0点にすることではありません。

忙しい日でも、その日にできる学習を少し続ける。

そして時間のある日に、しっかり取り組む。

この組み合わせが、高校生活と勉強を両立する一つの方法です。

保護者の方は「時間」だけを聞かない

保護者の方にも、ぜひ意識していただきたいことがあります。

お子さんに、

「今日は何時間勉強したの?」

と聞く代わりに、

「今日は何を勉強したの?」

「昨日できなかった問題、今日はどうだった?」

と聞いてみてください。

「2時間やった・やっていない」だけの会話から、

何を学んだのか、何ができるようになったのか

という会話に変わります。

勉強時間だけでは見えなかった、お子さんの小さな前進にも気づきやすくなるでしょう。


8.まとめ|「何時間やった?」から「何ができるようになった?」へ

高校生の勉強時間を考えると、

「1日2時間必要?」

「受験生なら3時間?4時間?」

と数字が気になります。

もちろん、学習量を確保することは大切です。

しかし、この記事で一番お伝えしたいのは、

「何時間勉強したか」だけで学習を終わらせないこと

です。

勉強が終わったときに、

「今日、何ができるようになった?」

と一度振り返ってみてください。

たとえば、

「今日は2時間勉強した」

ではなく、

「英単語50語を確認した」

「数学の二次関数で間違えた5問を解き直した」

「そのうち4問は、何も見ずに自力で解けるようになった」

まで確認します。

そうすると、次に何を勉強すればよいかも見えてきます。

必要な勉強時間は一人ひとり違います。

だからこそ、

現在の学力 × 目標 × 学年・時期 × 勉強の質

から、自分に必要な学習を考えていきましょう。

学習塾BONDSが大切にしているのも、

「分かる → 解く → できる」

という流れです。

説明を聞いて「分かった」で終わるのではなく、自分で問題を解き、間違えたところを確認し、最後は自分の力でできるようにする。

毎日の勉強を、

「今日は何時間やった?」から「今日は何ができるようになった?」へ。

少しずつ、この考え方に変えていきましょう。


参考資料・出典

文部科学省「全国学力・学習状況調査」
対象:令和6年度(2024年度)
中学生の学校外での学習時間などに関する参考資料。

国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA 2022)」
対象:2022年調査
日本の生徒の学習状況、自律的に学ぶことへの自信などに関する参考資料。

文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)・解説」
対象:現行学習指導要領
高等学校の教育課程等に関する参考資料。

大学入試センター
対象:大学入学共通テスト等
大学入学共通テスト・大学入学者選抜に関する参考資料。

※記事中で紹介した学習時間や学習方法のモデルは、全国平均を示すものではありません。学年・現在の学力・目標・学校生活などに応じて学習計画を考えるための一例として紹介しています。

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